こうやって見てくると、いろいろと疑問も浮かんでくる。誰が?何のために?クライミングクレーンの最大手、石川島運搬機械株式会社さんに電話してみた。
「『誰が』ということですが、うちでは機械を入れるだけですので、請け負っている建設会社さんがそのときそのときで独自に掲げられているようです。
聞いたところでは、横浜ランドマークタワーの建設のさいは、「トトロ」「ちびまるこ」なんかが出てたそうですよ。築地の現場では『大和』『武蔵』『長門』といった、戦艦の名前を冠したものがあったようですね。
『なぜ』という点では私共もわかりませんが、まあ愛着、周辺へのアピールというところでしょうか」
「トトロ」とつける操作員もいれば、「長門」とつける建設会社もいる。よくわからなくなってきたが、ここでちょっと想像してみた。あんな高所で、しかもコクピットはちょっと出っ張っていて、たぶん乗ってみたら宙に浮いているような場所だろう。そして一旦登るとなかなか簡単には下に降りられない。そしてでかい。
しかも事故のないよう、細心の注意を持って作業しないといけない。自分の娘みたいに扱わないといけない、そんなクレーンに、何で名前をつけずにおらりょうか!といったところでしょうか。
皆さんもぜひ、工事現場では足を止めて、作業員の愛の証を目を凝らして確認してみてはいかがでしょう。 |