風邪を引いたら「卵酒」と言われているが、実は卵酒を飲んだことがない。
日本以外でも、風邪の民間療法として「エッグノッグ」が飲まれているらしいが、みんな本当に飲んでいるのか?
そんな卵酒、飲んでみたいが作り方が分からない。こんな時はネットで検索だ。
…と検索したところ、卵酒には数パターンの作り方があるらしい。果たして、どの方法で作るのが一番うまいんだろう。試してみました。
(高瀬 克子)
パターン1
まず、一番多く検索された作り方を試してみたい。きっと、それが世間で一番多く飲まれている卵酒なんだろう。
・作り方 砂糖と卵を混ぜ、 ↓ アルコール分を飛ばした日本酒に入れる
以上。思ったよりも簡単だ。
ちなみに「風邪 民間療法」で検索したところ、数年前のデイリーポータルの記事がヒットした。あ、大塚さん卵酒作ってる。そして彼女も、この方法だ。
大塚さんが「うまい」と書いているのならば、やはりうまいんだろう。
卵酒は健康に良さそうだし、さらに「うまい」となれば言うことがない。飲むのが非常に楽しみだ。
温度が高すぎたのだろうか。卵と日本酒が見事に分離してしまった。
それでも構わず残りの卵を全て投入しグルグルとかき混ぜ続ける。
全体的に白っぽくはなったが、私が想像していた卵酒とはずいぶん違うものが出来てしまった。これはなんだ。食べるスープか。
世間では、こういうのを「失敗」と呼びますか? いや、味はおいしいんだけどねぇ…。
パターン2
決して料理ベタではないと思っていたのだが、卵酒ひとつ満足に作れないようでは、お話にならない。
次はもっと楽な作り方のものを試してみよう。
・作り方 日本酒と卵と砂糖を混ぜて、火にかける。
以上。さっきより作り方がシンプルだ。最初から材料を1つの鍋に入れるというオールインワン方式。これは火加減にさえ気をつければ、失敗のしようがないだろう。
お。さっきよりクリーミーだ。なんとなく、このまま茶碗蒸しでも作りたくなるような色合いだが、さらに白っぽくなるまで混ぜ続ける。
いやぁ、今回は成功でしょう。こりゃ簡単でいいや。
見た目は完璧だと思うが、問題は味だ。さっそく飲んでみよう。
………マズイ。マズイというか、まんま酒だ。燗をつけた日本酒に卵とハチミツを入れました、という味。なんだ、これは。
そういえばこの方法、アルコール分を飛ばさずにいきなり卵と混ぜたが、それがイケなかったか。しかも卵が固まるのを防ぐために、終始弱火だった。アルコールの飛ぶヒマもない。
これはこれで「こういう飲み物なんです」と言って出されれば、酒好きとしては黙って飲むしかないのだが、やはり何かが違う。今回は「どの作り方がおいしいか」が主旨なわけで、「どの作り方がラクチンか」ではないのだ。
パターン3
次の作り方はパターン1に似ている。似ているが、考え方が逆だ。
・作り方 卵と砂糖をよく混ぜ、 ↓ アルコール分を飛ばした日本酒を少しずつ注ぎながら混ぜる。
要は「どちらにどちらを注ぐか」という問題なのだが、この方法なら火を通しすぎて卵が固まる心配も、アルコール分が飛ばずに「酒卵」になる可能性もない。
ああ、この作り方は精神的にすごくラクだ。混ぜてりゃ終わるんだもの。
…とか言ってるうちに出来た。あっというまだ。この卵酒は「オレンジジュースか?」ってほどに色が鮮やかで、加熱していない分サラリとしている。
ああ、これ、ものすごくうまいですよ。口当たりもいいし、言うことないです。
いやー、新鮮な卵っていいなぁ。そして、卵酒っておいしいんですね。
パターン1が人気なのが分かる
いろいろあった卵酒の作り方だが、私はパターン3を「卵酒の作り方」として採用しようと思う。おろしショウガなんか入れたらもっと体が温まるだろうし、さらにウマそうだ。
加熱されてない卵が心配な時は、コップごと電子レンジで少しチンすれば大丈夫だろう。
ま、パターン1の作り方さえきちんと出来れば、そんなこと考えなくてもいいんですけどもね。なんせ固まっちゃったもんでね。