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コネタ996
 
運がきめる! センター試験

心を無に。天に運をまかせるのだ。

 昨日、大学入試センター試験が終わった。 受験生の皆様は、ひとまずお疲れ様でした。

 さて、多くの受験生の運命を左右するこのセンター試験というやつは、全ての問題がマークシート方式である。

 となればマークシートという概念だけでも分かっていれば、宇宙人ですら運だけでもある程度は点数が取れるわけだ。

 確率とかそんな話は聞きたくない。実際やってみたらどうなるのか。そう思って僕はセンター試験会場に向かったのであった。

(text by 藤原 浩一

 今回、センター試験をどのように運だけで突破するかというと、六角形の鉛筆に1〜6までの数字を割り振ってそれをさいころのように振る、というのを考えた。多くの問題が4つから6つの選択肢しかないので、選択肢にない数が出たら振りなおす、という形でやればなんとかなりそうだ。

 もちろん、机の上でころころ転がして音を立てるなんてことはしないように、手のひらの上で転がす。まるでセンター試験をもてあそぶかのように。

 とりあえず、以上のような方法で、センターの文型科目だけ挑戦してみることにする。理系科目(というか数学)はマークシート方式でありながら、0〜9の記号を組み合わせたものが回答になるので、さすがに運だけではどうしようもないからだ。

 

  センター試験当日、関東地方は異常ともいえる大雪だった。受験生は足元のスベりやすいこの日を、いろんな意味で心配していただろう。

去年もセンター当日に雪が降った気がする。

 ふと、中学のときの担任の先生の話を思い出した。「大学受験の日に雪が降って、試験の帰りに滑って転んだら、試験結果の方も滑って転んでた」とのことだ。結果に自信が無い人は、ここらでひとつ滑っておいたほうが、ネタになって良かったかもしれない。


 試験会場に来てみると、そこにはなんと制服を着た女子高生がいた。「女子高生って珍しい!」と思ってなんだかドキドキしたけど、よく考えたらそんなに珍しいものでもない。落ち着け、俺。あれは悪魔だ。スカートをはいた悪魔なんだ。


魔物が放つ衝撃波でカメラも揺れる。

 

1教科目 公民

 まずはじめは公民。現代社会、倫理、政治経済の3科目の中から倫理を選んだ。この科目の特徴は、選択肢がかなり長い文章できている問題がいくつかあることだ。それぞれ4行の文章が4つ並んでいる問題などもあるので、どれが正解なのか迷ってしまうこともあるが、そういうときこそ天に運を任せてしまえばいいのだ!

結果と感想: 46点/100点

 思ったより高得点であった。ほとんど4択だったので計算によって求められる確率の点数はだいたい25点。大問の第5問などは、7問中6問正解していた。


ここでキットカット。出して食べるのに凄く勇気がいる。

 

2教科目 地理歴史

 次は地理歴史。地理A/B、日本史A/B、世界史A/Bの6科目から世界史Bを選択。去年、僕はセンター試験をあまり勉強せずに受験したのだけど、あまり勉強してない中で世界史は特に全然勉強してなかったので、前日に「やっぱ地理Bにする!」と鞍替えしたのだった。勉強して無いなら地理のほうが常識でいけるだろうと…。今回は、運だけでリベンジだ。

結果と感想: 20点/100点

 公民のときと比べるとだいぶ点数が落ちた。正解数は36問中8問。こちらもほとんど4択問題だったので、確率的にはこの程度なのだろう。おもしろくない。

 ここで運気を上げるため、受験生御用達「キットカット(きっと受かっと)」を取り出した。逆に恥ずかしい。「うわ…あいつ、テレビみて真に受けて、キットカット持って来てるよ」って女子高生が僕を嘲笑しているような気がする。あ、悪魔め…。

 

3教科目 国語

 続いて国語。問題の構成は「評論文」「小説文」「古文」「漢文」の四問。

 特筆すべきことは、小説文の中に「ボクっ娘」が出てきたことだ。ボクっ娘とは自分の「僕」と呼ぶ女の子のことで、ひとつの萌えジャンルらしいのだが・・・。

 この小説は、おとなし目で性格のよく似た2人のボクっ娘が出会って、お互いに「うわ、この子…痛くない?」と思う話で、全然萌えなかった。まあ別にセンター試験で萌えたいとも思わないけど。

 また、漢文の内容は「猫は人間より賢くないけど、ねずみを捕らせるなら人間より猫だね」というものであった。これは「こんな試験できなくても、みんなそれぞれ役立つ舞台があるんだよ」という意味であろうか。これは励まされる。

結果と感想: 51点/200点

 まさに計算どおりという感じ。選択肢の数が4つよりは若干増えたものの、想定の範囲内だった。残念。そして、このように表現能力も無さから「想定の範囲内」という言葉を使ってしまう自分にも残念だ。


4教科目 英語

 出た、英語。拙者、とてもこれが苦手でござる。拙者は日本人なのでござる。

次の問いの会話の[  ]に入れるのに最も適当なものを、それぞれ下の1〜4の中から一つずつ選べ。
John:
Coffee in Japan is too strong for me.
Noriko:
Why don't you add hot water or milk to make it weaker?
John:
Okey, [  ]
Noriko:
Here you go.

 1 …
 2 …
 3 …
 4 …

以上のような問題があったりするのでござるが、

浩一:
そばください。
店員:
うどんですか?
浩一:
はい。
店員:
うどん一丁!

が、日常である日本人としては何とも難しいでござる…。

 しかし、くどいようだけど、今回は完全に答えは天に運を任せることによって決まるのでござる。すなわち英文と接する際に不必要なぷれっしゃぁがないわけでござって、そう思うと最後の長文問題なんかは、なかなか感動的なすとぉりぃでござったぞ。

結果と感想: 73点/200点

 確率上の数字よりちょっと多め。斜め前の女子高生がかわいかった。天使かと思った。やっぱり女子高生ってかわいいな。

 

リスニング

 今年から新設された新しい科目、リスニング。ICプレーヤーが導入されたことによりトラブルが発生したことが、ニュースでも報じられた。

 写真のように非常にシンプルなつくりになっている。電源、音声の確認、再生ボタンの3つと音量調節ダイヤルだけ付いていて、早送り、巻き戻し、停止ボタンはついていない。リセットするためには、裏の電池ボックスを、ドライバーを使って開けなくてはならない。

 それにしても、この機械に使われているメディアがメモリースティックなのだ。当方、メモリースティックに触るのはこの日がはじめて。こんな出会い方をするとは。この機械も、ウォークマンと言ったら、ウォークマンかもしれない。わーい。

結果と感想: 18点/50点

 こちらも確率上の数字よりちょっと多め。どんな新しげな機械も、運命の前には無力である。

まとめ

 結局、文型科目だけで650点中208点とる事が出来た。32%である。平均した選択肢の数が4より多い(選択肢が4つなら確率的には25%とれる)ことを考えると、良かったと見ることができる。何が良かったかと言うと、僕の運が良かったのだ。僕は人より若干ラッキーボーイだったのだ。

 はっはっはー。

 てなことで、まじめに勉強している女子高生に幸多かれ。


 

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