世の中の車は、発進できる車とできない車の2種類に分けることができる、とは、『この車は、このまま発進できるのか』でも書いた通りです。
いやこれ、ごくあたり前のことを言っちゃってますが、あたり前のことに目を向け、あたり前のことをあえて見直してみることが大事なのだと、亡くなった祖父も申していたような気がします。
本日、ご覧いただきますこちらの車。一見、普通のワゴン車ですが、こちらも事情があって発進できない車であるといえます。
(八二一)
夕暮れ時に、物悲しい後ろ姿でたたずむワゴン車。何やら物言いたげに感じます。
しかし、先日のように植木も積まれていないし、なぜ発進できないと言い切れるのか、その根拠を探ってみたいと思います。
なぜなら……
わっ、ガムテープでメッセージが。故ショウ中とな。なるほど、それでは発進できません。
単なる迷惑路駐じゃないんです。故ショウ中というやむを得ぬ理由があるんです(だから通報しないでネ)。そのことを伝えたいけど、メッセージを書くペンも紙もない……!
そんな時、ガムテープがあれば、はい、この通り。ばっちり文字を書くことができるのです。でも、この人、こんな方法をよく考えついたなぁ。めちゃくちゃわかりやすいではないですか。
故障の「障」の字は複雑なので、カタカナのショウになっています、が、それがかえって、ポップな感じをかもし出しています。
車のウィンドウにガムテープで残す伝言。インパクトとわかりやすさは抜群です。サ ヨ ナ ラ、とかだと迷惑感が倍増です。
そして、車を置いて去る
動かなくなった車にガムテで伝言を残し、去って行った持ち主。
JAFを呼んで戻ってくるからね……。と言ったかどうかは知りませんが、このワゴン車は修理をしてくれるご主人の帰りを待っているのですね。
遠目でも浮かび上がる茶色の文字。
それにしても、ガムテープって、文字を書くためにも最適なツールだったのですね。手で適当な長さにちぎって貼るだけで、読みやすい伝言のできあがり。晴雨関係なし。
しかも、剥がすだけで消えるんです。マジックなどにはとうていできないマネですね。