だいたい勝手がわかってきたので、つと歩み寄り、鯛焼きを所望する。お金を渡しながら、何気なく聞いてみた。
「あの、何かで読んだんですけど、駅長さんが鯛焼き焼いてるんじゃないんですか?」
「いいえー、私たちが焼いてますねー。駅長さんってことは、ないですねー」
そりゃそうですよね・・・。パートらしき2人の奥様方が、せっせと何か裏返したりしていた。
やはり「女性駅長が焼いて売っている」という情報は、間違いだったようだ。まあ、いいか、ここで鯛焼きと、あとたこ焼きでも買って、ぶらぶらして帰ろう。
と、地元のオニイチャンがさっそくたこ焼きをピンポイントで買いに来た。するとパートの方、「あー、今まだ焼けてなくて。40分後に来てくれる?」
40分後?そんなにかかるものだっけ、たこ焼き。焼き器がすごく古いのだろうか。遠赤外線ででも焼いているのだろうか。このへんから何か「ある空気感」を感じ始める。 |