12月に入り、目の回るような忙しさが続いている。まるでボロ雑巾のように疲れ切り、会社を出る毎日だ。
「ああ、なんだか無性に甘い物が食べたい…。そういやこの辺に、甘味処があったな。あそこ寄って帰るか」と気軽に寄った店先に「ハニー焼き」の文字が。
ハニーといえば、八二一さんだろう。御存知、当サイトでもご活躍中の写真家ユニットだ。いや、甘味処だし、猫写真と何の関係もないのは分かっている。でも気になるじゃないですか。なりませんか? ハニー焼き。
(高瀬 克子)
こういう店だったのかー
よく通る道なのに、店先にデカデカと書かれた「ハニー焼き」の文字に、今まで気が付かなかった。普段あまり甘い物を食べないので、甘味処は素通りなのだ。その点、飲み屋ならどんな小さな店でもレーダーが感知し、勝手に頭がチェックを入れている。 人は「興味のないものは存在しないも同然」な生き物なのか。
あ、でも「店の女の子は可愛いな」というのだけは思ってました。
いきなり売り切れ
店内に入り、レジ(食券制です)でハニー焼きを求めると、なんと売り切れだった。どうやら人気商品の模様。がっかりしながら悩み、この日はクリームあんみつを食べることに。ハニー焼きは、明日に取っておきましょう。
ああ、あんみつなんて食べるの、久しぶりだ。 テーブルには、トンカツ屋における自家製ソースのようなポットが置かれている。なんだろう、このポット。
「クリームあんみつ、お待ちどうさまでした。こちらの黒蜜をかけてお召し上がりください」
なるほど、黒蜜だったのか。言われた通りに黒蜜をかける。
…ちょっと感動した。うまくって。 黒蜜(大変美味)があんみつの隙間に入り込んでゆくように、疲れた体の隅々にも行き渡るようだ。脳細胞にも浸透したのか、徐々に気持ちがほぐれていく。ああ、頭と体が甘い物を欲していたんだなぁ。
またも売り切れ
翌日、再びレジで「ハニー焼き」を所望したのだが、またまた売り切れていた。やはり遅い時間に来るのがいけないのだろうか。明日は昼休みに来ようと決めて、今回は「小倉かのこ」と「栗ぜんざい」をいただきます。すっかり魅了されてます。
「小倉アイスがおいしいな」と思いながら食べていると、なんとこの店、小倉アイス発祥の店だった。店に置かれた雑誌に「売れ残った茹で小豆を、もったいないからと当時まだ高級品だったアイスクリーム製造器に入れて保存したら、今でいう小倉アイスができていた」と書かれていた。へええええ。その歴史に触れ、なおさらおいしく感じます。
やっと食べられた
翌日、昼休みに行って「ハニー焼き」をやっと入手できた。 「いま食べますか?」と聞かれたが、会社に持ち帰って食べようと、包んでもらうことに。
ふつうの今川焼きにように見えるが、皮がふつうの物とは明らかに違う。卵が贅沢に使われている味だ。皮、うまい。
今回は「ぎゅうひ入り」を買ってみたのだが、この「ぎゅうひ」が熱でトロリと溶けて、それがアンコと絡まって…。ちょっと、たまらんことになっております。
ハニー焼きは、プレーン(あんこ)、栗入り、ぎゅうひ入り、と全3種類。 年末、甘味で一息つくのも、たまにはいいものですね。上野公園でボーッとハトを見ながら食べるもよし、食べながら「アメ横」まで歩いて年越しの買い物をするもよし、会社に戻って仕事をしながら食べるも…哀しいけど、よし。
甘い物大好きな方も、そうでない方も、おひとついかがですか。
みつばち
東京都文京区湯島3-38-10