パーティー演出のブースでなごむ
なんとかウェディングドレスのブースが集まる一帯を回避したころ、目の前にあらわれたのはテーブルサービス(披露宴で新郎新婦が各テーブルを回って行うアトラクション)のデモンストレーションだった。
「……といったわけで、2種類の液をこのように同時に注いでいただきます」
デモンストレーションを行うのは男性のお二方。ちょっと見られないカップリングでの共同作業。
「こうして、だんだんハートの形が見えてくるわけです」お二人ともなんとなく照れ笑い。見ているギャラリーも照れ笑い。私の脈拍もすっかり正常値に。
よかったら、振ってみて下さい! と言われたのは「キャンティー」というキャンドルサービス用の着火スティックのブース。振っても炎が消えず、ロウが垂れない上、匂わないというメーカーさん自信の一品だそう。
お言葉に甘えて振りかぶってみると、確かにエメラルドグリーンの炎はついたまま。「すごいですねえ」「でしょう、男の力で振っても大丈夫ですよ。(担当の方、思い切り振る)ね?」「おおー!」
まさかここへ来て初対面の男性と二人で棒を振り回すことになるとは思いもしなかったが、これは画期的。
続いて覗いたロウソクやオイルランプのブースでは係りの方が突然ぶっちゃけた。
「このパンフレット、素人が作ったんですよ」
いきなり何を言い出すのかと思ったが、素人の写真にもちゃんと写るほど発色の美しい炎であるということのPRなのだそうだ。なるほど結婚式といえば写真。「素人が作ったパンフレット」を全面に押し出すのも、この展示会ならではかもしれない。 |