めくるめくひもの世界、アゲイン。
とりあえず、ここでは上の金色のひもを買って店を後にした。違う店だが、ひもに関する取材も出来た。これでもう今回の取材は終わりにしてしまおうかともちょっと考えたのだが、ここで、筆者は妙案を思いついた(毎週思いついているけど)。
この金色のひもをはじめのひも屋さんに持っていき、ひも好きをアピールするのだ。そうすれば、ひもに対する情熱を共有することができ、恐いおじさんも心を開いてくれるかもしれない。よし、さっきのお店にもう一度行ってみよう。
暮れかけた師走の街を、ひもを片手に小走りで急ぐ。通行人の「あの人どうかしちゃったのかしら?」的な視線を浴びながら、最初のひも屋に無事にたどり着くことができた。緊張しながら、ひもを片手に店内にはいる。すると……!?
「なんなんだあんたは。取材なんてどこか別の大きいところでやればいいだろう。うちは力がないからそういうのはやってないんだよ!!」
「力がないっていうのは?」
「…………この辺には大きいところが沢山あるから。そういうところにいってやってくれ!! うちは関係ないんだからさ。」
今回は激昂こそされなかったが、なかば呆れられているようだ。しかし、口調も荒く怒声に近いものがある。怒られていることにはかわりないようだ。取材も拒否の姿勢を頑なに崩そうとしないし、これ以上の続行は不可能と判断することとなった。 |