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コネタ


コネタ295
 
100円ショップでミラクルメイク!
もったいぶってます。ミラクルですから。

お待たせしました。
誰も待っていないと思うが私はこの日を待ちました。

「ド素人の手によって人はどれだけ美しく変身できるのか」
と言う女子ならではの永久保存版テーマで開催したミラクルメイク。
6時間かけて強行遂行し、身内・友人・上司までにも大絶賛(および絶叫)されたこの企画だが、はたしてこれはデイリーポータル的にどうなのかと言うことがちょっとひっかかっていたからだ。

約二週間ほどPC内にてあたためてから、ウェブマスター林さんにお伺いをたてたところ、
「まさにミラクルですね」
とあっさりと掲載の了承を得た。

そんなわけで、私が、私だけが待ちに待ったミラクルメイク、世の女性すべてに捧げます。

[ ミラクル ]
不思議なこと。驚くべきこと。奇跡。
大辞林 第二版より

(text by 土屋 遊

これぞ神の手によるミラクルメイク
ありえないです

モデルは加護ちゃん似の36歳

「うわーこんなにキレイになれるんだあー」

まずはこちらをご覧いただきたい。ネットを巡っていた時に見つけたプロのメイクアップアーチストによる作品だ。変貌を遂げた彼女たちのうつくしい顔面が頭から離れなかった。
美容整形もコラーゲン注入もいらないプロのテクニック。魔法とも奇跡ともいえるその技術に、私は無謀にもチャレンジしてみようと思ったのである。しかも100円ショップのメイク用品で。

モデルは伊藤早苗さん、36歳。
二代目中村梅雀氏と、芸人の塚地武雅(ドランクドラゴン)に瓜二つと言うのは友人である私の意見だが、自己申請によると、加護亜依(ダブルユー)似の三児の母。

土「とりあえず、目標は誰にする?」

伊「目標ですかー。んー」

土「加護ちゃんにする?」

伊「あーダメダメ。すでに加護ちゃんだから」

土「……」

伊「まあいいや。藤原紀香で」


この日のために聖子カットにしたと言い張る伊藤さん


本気印
いつになく真剣なまなざしです
たった1500円でノリカになれる

メイクの基本は洗顔&マッサージから。

いざ始めようと言う時に、テレビで大相撲11月場所の放送が始まったので私は中断。マッサージはご本人自らやっていただくことにした。
洗顔、マッサージ、顔剃りに約1時間かける。

「美人顔は女優マユでキまるんですよ」

と、前日、美容院の雑誌で仕入れた情報を報告されたので、私がハサミを持つことに。気合いを入れて眉カット。
伊藤さんによると、女優マユとはアーチ型だそうだが、世の中には可能なこととそうでないことがあるのをご理解いただき約15分ほどで終了した。

本格的にミラクル開始。

100円ショップの化粧品というところに不満を隠せない伊藤さんだったが、意外にもたくさんのメイク用品が揃っていた。

メイクに疎い男子のために解説付き

コンシーラー(シミとか隠すもの)
ファンデーション(顔に塗るもの)
アイシャドウ(瞼に塗るもの)
チーク(頬に塗るもの)
アイライン(目の上に線を引く)
マスカラ(マツゲに塗る)
ツケマツゲ(ニセモノまつげ)
口紅(唇に塗るもの)

と、一通り終了。

塗りたくられています
ファンデーション完了

奇跡は階下からやってきた。

たしかに変貌はしたものの、今ひとつミラクルに欠ける。
魔法はかかったが、奇跡が足りないのだ。

アイシャドウを足してみたり口紅のラインを太くしたり、色々と試行錯誤していると、我が家の階下に住む友人がやってきたので

「カツラない?カツラ」

と聞いてみるとあるという。さっそく持ってきてもらうことに。

そして……奇跡は階下からやってきた。


妖艶な美女が……!

こんにちは。フジワラノリカです。


いかがでしたでしょうか。
ド素人の、ド素人による、ド素人のための100円ショップミラクルメイク。
女子の皆さんは、「可能性」と言う希望の光が見えてきたことと思います。

メイクも一段落、写真撮影に入った頃、思いがけず私の父が来訪したのですが、玄関先に飛び出た伊藤さんに対して
「はじめまして」
とあいさつだけして帰っていきました。私の長年の友人で何十回も会っているはず……彼女のミラクルぶりが証明されたような気がして私は大満足です。それとも父が痴呆にでもなったのでしょうか。そういえば何の用があったのか聞き忘れました。

さてご本人は

「ちょっと塗りすぎじゃないかな?濃すぎない?」

と謙遜なさっていましたが、まんざらでもないご様子。
これからみんなでディナーに行くのだと、ミラクルのまま自転車をかっ飛ばしてご家族のもとに帰っていきました。

その後ろ姿はまさに藤原紀香そのものでした。


伊藤家の反応

その後、伊藤家の反応をお聞きしました。
旦那さま、子供達からは不評で、4歳児の三男などは
「こわい」
と泣き出す始末……。
せっかくの外食ディナーはキャンセルになったそうです。
子供は正直とは言いますが、まああまりの美しさにおののいてしまったのでしょう。

それでも伊藤さんはやはり100円ショップメイクでは納得できないご様子で、次はデパートの高級化粧品のサンプルを使って超ミラクルメイクに挑むと意欲マンマンでした。
美を追究する女心はとどまるところを知りません。


デスクトップでノリカが微笑みます。壁紙プレゼント中(ウソ)。


 

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