木津川が大阪港に流れ込む河口付近に眼鏡橋と呼ばれる橋があります。正式名称は千本松大橋というのですが、橋の両端がぐるぐると螺旋状に円を描く形になっていることから、眼鏡橋の愛称で親しまれているのです。
(八二一)
地図上で見る眼鏡橋は、くるりと丸っこくてお茶目なフォルムをしているのですが、実際に目の前にすると、どうです、唐突に現れるこのぐるぐるっぷり。こう見えてもこれ、橋なんです。
そもそも、眼鏡橋とは、木津川を運行する大型船が下を通れるように、ぐーっと高さを持ち上げて作られたもので、その高さ34メートル。すごく高い割に、川幅は意外と狭くて、対岸がすぐ向こうに見えるので、大げさな存在感があります。
そんな眼鏡橋を今日は歩いて渡ってみたいと思います。
眼鏡橋を渡るということは、木津川を渡るということ。実は、木津川を渡るためには無料の渡船があるので、自転車、歩行者はいちいちこの橋を渡らなくても大丈夫なのです。
でも、ちゃんと歩道があるので、渡ろうと思えば渡れるというところが、橋好きのチャレンジ精神をくすぐります。
ぐるぐる歩いてなだらかな螺旋の坂を上っていきます。円が大きいので、歩いても歩いても景色は変わらず、じりじりと少しずつ進んでいる感じがします。車はビュンビュン通って行きますが、さすがに歩いて渡る人はいません。
頭上にまだ橋がありますが、これから上の段の橋を歩かねばならないなんて、やや不安になってきます。
眼鏡橋は、木津川を挟んで西成区と大正区を結んでいます。螺旋の坂を登りきって橋の上にやって来ると、眼下には大阪の工業地帯が広がっていました。
川幅は約150メートル。直線を歩く分にはそんなに距離は感じません。あとは下りなので、気分も軽いです。
螺旋坂を下り、対岸に到着しました。後半の下り時間は9分かかりました。あれ、下りなので、もっと早く着いたと思ったのに、上りとあまり変わらなかったですね。
眼鏡橋を渡りきるトータルの所要時間は19分でした。一度歩いて渡ってみたかった眼鏡橋ですが、いやぁ、片道だけで十分堪能しました。 というわけで、帰りは渡船に乗って帰ってきました。