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コネタ


コネタ164
 
1日7食限定のそばがある

 1日7食限定の三枚肉そばを出すお店があるという。三枚肉というのは豚の分厚いバラ肉のことで、肉と油が交互に三層に重なっていることからそう呼ばれる。沖縄そばには通常この三枚肉を長時間やわらかく煮込んだものがのっかっているのだ。しかし今回注目すべきは1日限定7食という希少性。7食しか出さないところを見るとさぞかしすごいにちがいない。7人の勝ち組に加わろうと早起きして並んできました。

安藤 昌教


 実は筆者、目的の限定そばへのアタックは今回で二度目となる。というのも一度目のアタックでは見事に売り切れていたのだ。その時だって開店からわずか30分くらい遅れただけだったのに。なんだそれ、本当に売っているのか、と根本的に疑った。

そういういきさつもあり今回こそはなんとしてでも食べたかった。そこで早起きして開店30分前から並んでみた。

さすがにこの日は筆者が一番乗りだったのだが、開店までの間に次々と客が訪れ筆者の後に列を作るではないか。駐車場は開店までにはほぼ満車になっていた。筆者の後に来た家族は、父親に並ばせておいてお母さんと子供はどこかへ遊びに行ってしまった。そして開店間際にお父さんが家族に電話をかける。

「おーい、そろそろ開きそうだぞー」
休日のお父さんは家族サービスなのだ。

一番乗りで開店を待つ

開店と同時にお客が群がります

開店と同時に、僕を含め並んでいた客が一気に食券の販売機に群がる。なんといっても勝ち組はたったの7人だ。8人目に明日はない。

並んだ甲斐あって筆者はこの日名誉ある1人目だった。こぼれる笑みをかみ殺しながらクールに発券機の最上段の「限定三枚肉そば=600円」のボタンを押す。

プラチナチケットをゲットした瞬間だ。


 肩で風を切りながらおばちゃんに食券を渡しテーブルに着く。店内は開店早々だというのに満席状態だった。家族連れやカップル、日焼けした外仕事のおじさんなど客層は様々。見たところ観光客よりも地元のみなさんの方が多いように思えた。

しばらくして筆者の前に本日の主役が運ばれてきた。1日7食限定の三枚肉そば様だ。

どっかーん。

見よ、この迫力。巨大な三枚肉がてかてか光りながら窮屈そうにどんぶりの上に鎮座している。その下にあるはずのそばの姿はまったく見えない。カレーライスでいうとライス全体にカレーがかかっているようなものだ。要するに普通ではそんなのあり得ないということ。すごいぞ限定そば。

本日の主役登場

とろけるほどやわらかいのです
通常メニューももちろんうまい

店員さんに聞いてみた。

「1日7食限定というのは本当なんですか?」
「そうですねー、7食きりです」
「どうして7食だけなんですか?」
「肉が大きいとねー、煮るのに火力も時間もかかるの。だからこの数作るのが精一杯。」

おばちゃん泣かせの三枚肉は箸でつまみあげるのが難しいくらいにやわらかく煮込まれていた。それを落とさないように慎重に口に運ぶと、舌と上あごとの間で大量の肉汁を放出しながらとろける。うっはっ、うまい。海原雄山とかに食わせてみたい。

もちろん下に隠れた沖縄そばも、こしのある麺に肉汁とだしが絡み合っていて最高にうまい。このそば一杯で相当なボリュームなのだが、ほとんど息もつかずに一気にたいらげてしまった。

1日7食限定の三枚肉そばは早起きして並ぶだけの価値があると思います。そして並んで食べた筆者みたいな人がその話を大げさに誰かに伝えることで、伝説はどんどん膨らんでいくのでしょう。だけど実際誰かに話したくなるほどうまい三枚肉そばでしたよ。





なかむらそば

沖縄県国頭郡恩納村瀬良垣1669-1
098-966-8005


 

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