葉っぱを取りに
ペンを使わないなら鉛筆を使えばいいじゃない、などという仕掛けではない。
今回使うのはタラヨウという植物で、この葉っぱは圧力を加えると変色し、文字だっ
て書けるのである。
その植物を入手するため、内山グリーン株式会社・君津グリーンセンター様へ。
以前ライターの法師丸さんがヘクソカズラを調べたところだ。
タラヨウの木まで案内して下さった内山さんに「確か…去年もいらっしゃいましたよ
ね」と質問を受ける。
「…はい、お、覚えてらっしゃいましたか」
「やっぱり。その時も僕が案内したんですよね」
その時は、極個人的にこの葉書を出したくて押し掛けたのだった。
ちなみに、その時葉書を出した相手からはノーリアクションだった、というほろ苦い思い出付きです。
さて目的のタラヨウだ。葉書に適した、汚れのない大物を狙う。
ちまちま取っていたら、「こっちの方がいいかもしれません」と内山さんが他の木から枝ごとばさばさと取ってくださった。
その姿は「竹取りの翁、野山に交じりて竹をとりつつ、よろずのことに使いけり」という一文を彷佛とさせたが、いやいや、葉っぱだし、葉書だし。 |