デイリーポータルZロゴ
このサイトについて
東急メディアコミュニケーションズ

コネタ


コネタ129
 
葉っぱの葉書が届いたら

昔、葉書に1円切手40枚を貼って出した知人がいる。
その人は「あぶりだし」とだけ書いた葉書も出したことがある。もちろんあぶっても
何もでてこない。

そんなサプライズ郵便を、私も出したい。

ここで原点に帰ろう。
葉に書くと書いてはがき。

葉っぱに書いた葉書を出してみよう。それもペンを使わないで。

佐倉 美穂

文字を書きやすい、という視点で葉を選ぶことはそうはない
大きいビニール袋にたくさんいただきました

葉っぱを取りに

ペンを使わないなら鉛筆を使えばいいじゃない、などという仕掛けではない。
今回使うのはタラヨウという植物で、この葉っぱは圧力を加えると変色し、文字だっ
て書けるのである。

その植物を入手するため、内山グリーン株式会社・君津グリーンセンター様へ。
以前ライターの法師丸さんがヘクソカズラを調べたところだ。

タラヨウの木まで案内して下さった内山さんに「確か…去年もいらっしゃいましたよ
ね」と質問を受ける。
「…はい、お、覚えてらっしゃいましたか」
「やっぱり。その時も僕が案内したんですよね」
その時は、極個人的にこの葉書を出したくて押し掛けたのだった。

ちなみに、その時葉書を出した相手からはノーリアクションだった、というほろ苦い思い出付きです。

さて目的のタラヨウだ。葉書に適した、汚れのない大物を狙う。
ちまちま取っていたら、「こっちの方がいいかもしれません」と内山さんが他の木から枝ごとばさばさと取ってくださった。
その姿は「竹取りの翁、野山に交じりて竹をとりつつ、よろずのことに使いけり」という一文を彷佛とさせたが、いやいや、葉っぱだし、葉書だし。


書きますよ

すーっと書くと
瞬く間に色が濃くなる

持ち帰ったタラヨウの葉で早速実験開始。
今回の筆記用具は、爪楊枝だ。
やや強めに線をひくと、あくび一回くらいの時間でかなり濃い色になる。

ネガティブコントロールとして、他の植物でも線をひいて比較してみた。
そのラインナップは、ナス、ピーマン、にんじん、葉っぱ代表としてポトス、夏の名残りのスイカ、キャベツ。



ナス
線が埋もれます
ピーマン
線の存在すらわからない
にんじん
今夜は麻婆茄子なんです
ポトス
薄い葉に傷がついた、という感じ
スイカ
瑞々しさいっぱいです
キャベツ
線を引く、というより穴ができました

爪楊枝の跡がへこんで、文字が書けないこともないかもしれないが、変色はしない。
ポトスはやや変色したものの、細胞が潰れてしまったのだろうな、という弱々しい爪痕が残っただけだ。

「佐」と「美」の色が違う
時間を置くと、立派に文字だ

タラヨウの威力がわかったところで、早速葉書を書いてみる。
宛先は自分。
葉っぱに自分宛の葉書を書く。少し不思議な感覚を味わいつつも、名前を書くそばから変色してゆく。


願いよ、届け
きちんと消印を押されて届きました

いざ、投函

住所も書き上げ、郵便局に持って行く。
葉っぱにそのまま切手を貼ってほしかったが、剥がれる危険性があるため、ビニールに入れるという措置をとる。
あとは投函して、届くのを待つだけだ。

投函したのは朝だった。
届いたのは翌日だった。
友人の結婚式帰りでへろへろに疲れていた私を和ませる、届いた葉書。
このタイミングで届くなら、もっと気のきいたコメントを書いておくべきだったか。

同じ葉書を友人にも出したところ、シンプルに「葉書届いた(笑)」という一言メー
ルがきた。
「(笑)」の意味を追求してみたかったが、まあ、喜んでくれたのだと受け止めておく。





いただいたタラヨウは、まだ枝にわさわさと葉が茂っているので、季節のご挨拶でも出そうかと思う。

受け取った人の喜ぶ顔が目に浮かびます。

でもこのコメントはやめておこう


 

▲トップに戻る コネタバックナンバーへ
 
 


個人情報保護ポリシー
©TOKYU MEDIA COMMUNICATIONS INC. All Rights Reserved.