ダムの周りには自然がいっぱい
ダムの周りの小高い丘には、住宅地を縫うようにしてところどころに深い森が広がっている。森の奥へ一歩足を踏み入れるとセミの鳴き声で周りの音がすべてかき消される。
それにしても沖縄のセミだ。筆者の出身地愛知県ではアブラゼミがメジャーで、クマゼミはレアだった。クマゼミを見つけたら死んでいてもとりあえず持って帰ったものだ。しかしここ沖縄ではどこを見てもクマゼミだらけなのだ。むしろアブラゼミの方が探しても見当たらない。セミの分布にも地域差があるのだろうか。沖縄はこのことを愛知の子供に宣伝するべきだ。子供の頃の僕が聞いたら駄々をこねてでも取りに来ていただろう。
他にも木に登るカメレオンみたいなトカゲもいた。緑色で目がぎょろっとしていてトカゲにしてはやたらとでかい。なんかトサカみたいなものまで付いていた。捕まえたかったのだが、さすがは野生。目にも留まらぬ速さで逃げられてしまった。それにしてもなんだったんだろう。イグアナか。
もちろんハブだっていそうな雰囲気だ。これもまた個人的な話になるのだが、筆者は沖縄に住むまで町には普通にハブがにょろにょろといるものだと思っていた。咬まれたらどうしよう、抗体だっけか血清だっけか、とか考えて心配していた。実家の両親なんていまだに電話を切る前に「ハブには気をつけろよ」と付け加える。ところが沖縄の人に聞くと今ではめったにハブはいないのだという。安心だけどすこし寂しい気もする。 |