まずは本尊に入ってみた。
とりあえず大仏が動くしくみを突き止めるために、また大仏が動く日暮れ時を待つために、お寺の本尊に行ってお参りし、お寺の方にお話を聞く事にしました。
さっそく中に入ってみると、お寺のおかみさんっぽい人が夕飯を支度中らしきにも関わらず快く出迎えてくれました。本尊も覗いていきますか? と聞かれたので、さっそくお言葉にあまえて本尊を覗く事に。
とりあえず線香をあげておこう。と思っているうちに私服を着たどうやら住職らしき人がやってきた。
住職 |
: |
お寺とか興味あるんですか? |
梅田 |
: |
えー、もうお寺が大好きなんですよ。 |
住 |
: |
写真撮るの好きなの? |
梅 |
: |
あ、はい。 |
住 |
: |
学生さん? |
梅 |
: |
あ、まあそんなようなところです。 |
(よし、そろそろ大仏について聞かなくては。)
住 |
: |
うちは日蓮宗だからね。君の家は何宗? |
梅 |
: |
あ、何宗でしたかね。ちょっと忘れてしまいました。 |
住 |
: |
自分の家の宗派ぐらい覚えてなきゃダメだよ。 |
梅 |
: |
すみません。 |
住 |
: |
そもそも仏教というのはだね… |
ここから住職らしき人のありがたい説法が始まった。なるほどなるほど。でですねー、あの、大仏…
住 |
: |
そもそも極楽も地獄もどこにもないんだよ。 |
梅 |
: |
え、そうなんですか。 |
住 |
: |
極楽も地獄も人々の心の中にあるんです。 |
非常にありがたいお話が続く。しかしもうすぐ回転の時間。が、いくらなんでもこのありがたい説法を振り切ってまで大仏を見に行くわけにはいかない。それに今日の僕は「お寺に異常なほど興味がある学生」なのだ。ここはそれとなく大仏の話を出し、「そう言えばもうすぐ回転する頃だ」と言ってもらい、「じゃあ見に行きたいです」って僕が言おう。よし、その作戦でいこう。
梅 |
: |
あ、そういやここ大きな大仏ありますよね。 |
住 |
: |
あるよ。 |
梅 |
: |
回転するとか聞いたんですけど。 |
住 |
: |
うん、そう。毎日回転してるよ。でね、日蓮は各宗派のお寺を巡ったんだ。それから各宗派のいろんないいところを見て自分なりの信仰の仕方を体得したんだな。 |
梅 |
: |
そ、そうなんですか。 |
あかん、ダメだ。
住 |
: |
ひとつだけいい事教えてやるよ。立派な大人になりたかったら、まずは聞き上手になる事だ。まず聞く事。 |
梅 |
: |
はい。 |
も、もうダメだ。はい、おとなしく聞きます。コネタはもらったなんて言ってた頃が遠い過去のようだった。あー、どうしよう。
その後もインドに行ったお話。日蓮宗の大総本山のお話、日蓮が蒙古襲来を予言したお話。
次々とお話は続き、もう完全に日が暮れてしまいました。そして、最後にこの方は住職ではなく、ここで修行を兼ねて働いている方と知る事になる。
※誤解を防ぐためここで書いておきますがこの方は非常に優しいお方で、ためになるお話をたくさんしてくれました。最初に目的をきっちり伝えてなかった僕の自業自得ですね。
しまった、これは次の日もう一回取材に来なきゃいけないな。 |