カウンターでタコライスを注文すると、景気のいい声で注文が繰り返された。
「タコライスいっちょー」「はい、タコライスいっちょー」
その声を聞くか聞かないかのうちに、奥の厨房ではいきなり調理が始まっているではないか。いや、あの、辛さの注文ができるんじゃないんですか。おずおずと店員さんに辛さへの不安を打ち明けると。
「はいっ、こちらで調節していただけますっ!」
と笑顔で渡されたのがこれ、コーレーグース。唐辛子を泡盛で漬け込んだもので、沖縄そばに一滴たらすことで味が引き締まるといわれている。タバスコなんて目じゃないほど、そりゃあもう辛い液体だ。
そうか、辛さの調節ができます、というのは、どこまでも辛く出来ます、ということだったのだ。しかたがない、デフォルトの辛さが常識的であることを願おう。
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