山手線に乗ったことのある方は、恵比寿と目黒の間に妙な球体が浮かんでいるのをご存知だろう。
よくよく足元を見ればそれは自動車学校なのだとわかるのだが(練習用コースがあるので)。
あの中はどうなっているんだろう?フジテレビみたいにレストランや展望室が・・・あるようには見えないが、何か詰まっているんだろうか。見に行ってみた。
(乙幡啓子)
赤い球体の学校は、「日の丸自動車学校」という。まあ、読んで字のごとくだ。今回の取材の趣旨を電話すると、
「中は何にもないですよー」との返事。 でもどんな風に「何もない」のか。そこが知りたいのだ。
行ってみると、中は近代的な設備の整った、きれいな校舎だった。最新鋭の教室が並ぶ案内図を見ると、不審な曲線が外壁を覆っている。あの球体が、こんなところにも意識されて載っている。幸せな球体と言えよう。
「丸井室」という部屋があるのに気づき、「これ、球体の内側の部屋、つまり『丸い天井』だから『丸井室』ってことですか!」と聞いたら、 「いや、これはデパートの『丸井』から申し込まれた方の部屋」だそうだ。 その部屋を「丸井室」と名づける心にしびれる。
さて、いよいよ3階、球体の内部が見えるところへ。中はこのようになっていた。
おもしろ建物だからといって、中におもしろレストランとか期待してはいけないのだ。
プラネタリウムを連想させる、真っ白の半球である。NASAの大規模実験室みたいでもある。見たことないけど。
赤い玉の中は、白かった。
まあ、中に何もなくても、これ自体で莫大な宣伝効果だろう。ところでこの中の様子は、部外者でも見ることができる。出入りは自由。空虚な気持ちになりたいときにはいいかも知れない。