おいおい、ほんとに営業してるの?
ネット上ではこんな噂がささやかれている。
レコードは音とびが激しく、何の曲かわからないぐらい。
メニューはコーヒー、紅茶、ジュースの3品のみ。
それぞれホットかアイスか選べる。
つまり「ホットジュース」も飲める
コーヒー用のミルクは、マヨネーズの蓋のようなものに入っているらしい。
興味深い話ばかり。これはさっそく確かめにいかなくては!
JR中野駅から中野通りを北側に歩く。中野サンプラザを横目に見ながらセブンイレブンと吉野家の間に、ひっそりと古き良き中野の記憶を今に残す路地裏がある。そこに時代の風に耐えるようにひっそりと「クラシック」は佇んでいる。看板は真新しいが、建物は「ホーンテッドマンション」のようないでたち。写真は昼と夜に撮影しているんですが、夜はすごい怪しげです。
よーく見ると建物自体が少しゆがんでいる。74年の月日はこの建物に強くのしかかっているのだ。
中に入ったぜ!
さっそく入ってみると、意外に若い店員さんが出迎えてくれた。どうやら入り口でオーダーをするらしい。メニューは噂どおりコーヒー・ジュース・紅茶の3つだ。ちゃんとホットジュースも飲める。しかし紅茶はホットのみだった。ホットジュースにかなり心を奪われたが、アイスコーヒーのミルクピッチャーを検証するため、ここはアイスコーヒーをオーダー。
店内は真ん中が吹き抜けの2階建てになっていて、1回はクラシックを聴きたい人用、2階はコーヒーを飲みながら談話したい人用らしい。1階には埃をかぶった蓄音機や、さまざまなレコードや、高価そうな絵画が飾られている。2階も確認するため、2階席に行ってみる。
かかとをつけれない狭い階段を登り2階へ。
きしむ床の音とクラシックを楽しみながらコーヒーを待つ事に。
店内は意外に広く、1階、2階あわせて80人ぐらいは入れそうだった。
音とびは雨音の調べ
名曲喫茶クラシックと銘打つだけあって、いい音響設備を使っているのか、耳障りどころかかなり綺麗な音楽が店内に流れている。いいライブハウスはかなりダイレクトに客席に音が響くが、この店にもそれを感じる。
なんだろう、この音との一体感は!?
と思っていたら床が古くて、床とソファがちょうど"骨伝導スピーカー"のように音にあわせて震えていた。なるほど、あえて建て替えないのは、この店全体が天然の音響システムのようになっているからかもしれない。
レコードの音とびについてだがそれほど気になるものではない。確かにぽとぽとと音は聞こえるが、外で雨が降っているような音だった。雨の日に部屋でクラシックを聴く。そんな風情だ。ラジオで聴く名曲はCDのそれより心に響く時があるように、古いレコードで聴く名曲は妙に僕の琴線に響いた。
アイスコーヒーのミルクピッチャーは普通です。普通にうまかったです。ちょっぴりアメリカンで夏の体を落ち着かせるにはちょうどよかったです。
まだ新しい発見がありそうな店内。「この席、机が不安定ですので、ご注意ください」等貼り紙を一つ一つ見ていくのも楽しい。
でもここですべてを書くのはやめておこうと思う。実際に行った時に新しい発見があったほうがいいでしょ。
東京近辺にお住まいの方、この夏東京中野方面にお越しになる予定のある方、ぜひ一度行ってみてください。
クラシックは日本の"生きた"文化遺産です。
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