| 3軒め「バーボンハウス」
最後は10年ほど前から知っている友人の店。築地の青果市場を辞めてバーを出したという変わった経歴の持ち主だ。人は彼を“バーボン”と呼ぶ。誕生日が数日違いということもあって、なんとなく動向が気になる存在でもある。
バーボン、いま悩みってある? 「うーん、プロジェクターのランプがもうすぐ切れそうなんだよ」 ああ、壁に映してるやつね。 「いや、でもそんなのは悩みとは言えねえな。“悩みなし”ってことにしといてくれ」
わかった。ところで、さっきから気になっているんだけど、カウンターに赤ちゃんがいるね。聞けば、彼らは若い夫婦で、奥さんのほうが昔この店でよく飲んでいたとのこと。今日はダンナを連れて久々に訪れたんだとか。
せっかくだからと店の前で記念撮影。20年後、僕とこの子は再びこの店で邂逅、ヒップホップ流の複雑な握手を交わすのかもしれない。
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| | 松浦夫妻と舞空(まそら)ちゃん | 右端がバーボン。僕の赤目はフラッシュのせいだと信じたい |
| 松浦夫妻が帰った後もバーボンと話し込む。お、午前3時か。そろそろ、帰ろう。生ビール3杯でご馳走さま。 | |
| | | | 見知らぬ泥酔者よ、おやすみ | |
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