市房山の山麓は、私の母が幼少時、短い間ですが住まった場所だそうです。
半世紀近くも前、家庭の事情で親戚の家に預けられていた頃、住所に設定した小学校に通っていた様子です。
母はGoogleマップで、この付近の情報を見ただけで号泣していました。
当時はまだダムはなかったらしく、もしかすると自分の住んでいたところが沈んでしまったかも知れないと思っているようです。
本人も様子を見に行きたがっているし、近い将来連れて行ってあげたいのですが、諸々の事情によりもう暫くは無理そうです。
母はもちろん、私もこの付近が今どうなっているのかとても気になるので、かわりに見てきてくださればうれしいです。
余談ですが、母のその頃の思い出としては、
・放課後、ひとり綱渡りの要領で校庭の鉄棒を渡っていたら、足を滑らせ落下して胸を強打、一時呼吸困難になり、うずくまりながら人生初めての凄まじい孤独を感じた。
・市房山には橋があり、その橋は、嘘つきが渡ろうとすると落下すると言われているらしいから、ぜひ渡りに行こうと近所の少し年長のお姉さんに誘われ、言われるがままについていった。
山に入ってしばらくすると、登山者の方が、露骨に学校がえりの小学生が山にいることに驚いたらしく、二人で来たのかと問い詰められて急に恐くなり、急いで下山した。
といったものがあるそうです。
うっすら不安感のある思い出ばかりなのが何とも言えません。
嘘つきは渡れないという橋は本当にあるのか母もわからないと言っていたのですが、調べたところ「心見の橋」と言って実在するようです。
それも出来れば見てみたい気持ちはあるのですが、なにぶん決して低くない山の上のことなので贅沢は言いません。
住所付近を、部分的にでも、どこでもよいので見てきていただけたらありがたいです。 |