湿気の多い山の谷筋に作られた寺の庭園は、必然的に苔の庭となる。ふわふわもこもこと弾力のある苔の絨毯。それは植物でありながら、動物的な湿り気と温かさを持つ。だからこそ、人の心に訴えかけるものがあるのだろう。ただ緑であれば良いというわけではない、モスグリーンこそ日本の緑である。