「一ツ瀬ダム」
九州でもっとも大きなダムだが、入口が閉鎖され、人を寄せつけない雰囲気が漂っている。
そのせいか知名度はまったくなく、全景を捉えた写真も存在しなかった。僕はどうしてもこのダムの存在が気になり、管理者である九州電力に頼み込んで入れてもらったのだ。
人知れず九州の山中で膨大な量の水をせき止める巨大ダムは、優しく、逞しく、美しく、かっこよかった。
あと、当初はもっと手前までしか入れなかったのだが、この場所に行きたい、と伝えたところ
「望むなら…行けんこともないが…」
とボソッと答えた職員のおじさんもかっこよかった。
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