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缶詰ポータル
  2012年、ゴールデンウィークは缶詰が熱い!

4/29 11:00〜5/6 9:00まで、毎時1缶詰から2缶詰のレビューを更新していきます。
しょっぱいの、あまいの、日本の、海外の、肉、魚、野菜、果物……。
幅広い缶詰情報をどうか受け止めてください。

「金線べにずわいがに」でうっかり泣きそうな思い出の味を再現した

「金線べにずわいがに」でうっかり泣きそうな思い出の味を再現した

かに3缶目にして登場、日本海の味、べにずわいがにである。ここぞとばかりに「わたしとかに」を語ろう。
わたしの祖母は料理が得意で、兄とわたしが小さい頃、よく祖母宅にみんなで集まって、お手製の料理をふるまってもらっていた。なかでも「おばあちゃんのかにのクリームコロッケ」は絶品で、わらじ型の大きなコロッケを何個も何個も揚げて山盛りにしたのを、「今年は3個!!!」などと兄と競って食べていた。

「金線べにずわいがに」でうっかり泣きそうな思い出の味を再現した
思い出のべにずわいがに。金沢のひとは、真ん中をあげるイントネーションで「ズワイ」と呼ぶよ。

兄もわたしも上京して、お正月くらいしかゆっくり帰郷しなくなってからも、帰ったときにはやっぱり山ほど揚げたカニのクリームコロッケを、冷凍してもたせてくれていた。そういえば、あのカニのクリームコロッケを食べなくなったのは、祖母が心臓を悪くして大きな手術をしてからである。

「金線べにずわいがに」でうっかり泣きそうな思い出の味を再現した
かなり不格好だが味は再現できた。そう、これだ。カニといえば、この料理だったのを、わすれてた。

ゆでたまごの刻んだのと、マッシュルームがたくさん入っていて、味がしっかりついていてなにもかけずに食べても、冷めてから食べてもちゃんとおいしい、カニのクリームコロッケ。材料を思い出しながら、いちばん近そうなレシピをみてつくった。ホワイトソースを作るところからの、けっこう壮絶な工程に「こんな凝った料理だったのか!」と最初あぜんとしつつも(わたしはだいたい全行程10分くらいで作り終わる料理しかふだんしない)、どんどん台所にたちこめるおいしいにおいと、味見の段階でぜんぶ残らず食べたくなりそうな料理過程に、わたしと同じで食いしん坊でおいしいものがだいすきな祖母が、この料理が大得意だった理由がわかった気がした。

購入価格 980円
メーカー:あけぼの

田村美葉

( 2012/05/01 14:00:00 )



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