「空気のレビューを書け」と言われたどうしたらいいだろうか。いつも吸ってる、あの空気である。いまさら特に言うことはない。紹介すべき情報もない。たとえば空気のない月で暮らしてみるとしたらどうか、といったことを想像してみたところで、それを書いてはレビューではなくすでにエッセイである。言及するには今さら過ぎるのだ、空気。
で、サクマ式ドロップスである。「缶詰」というテーマで編集部員がスープやおつまみの缶を大量に買い込んでいるのを横目に、まさかこれが回ってくるとは思わなかった。みんな、知ってるだろ、レビュー読まなくても。国民食だろ。「節子、それドロップやない。おはじきや」という有名なセリフがあるが、おはじきを舐めるのは未体験なのでレビューできそうだ。でも、僕の目の前にあるのはふつうのドロップである。
|