新しい形の国際交流「たけのこおかか煮」
「たけのこおかか煮」である。地味そうでありながら「たけのこ」「おかか」と、あどけない響きの言葉でかわいこぶってるのがいじらしい。定番の煮物で、余程のことがない限りおいしさが約束されているこの料理。そこを裏切るような展開にもっていきたい。
ロシアの入れ子人形、マトリョーシカに弁当用カップを敷いて入れてみた。ロシア土産として受け取ってこれが入っていたら、相当な違和感があると思う。和のテイストあふれる筍と、いかにもロシアというマトリョーシカ。グローバリゼーションの波はこんなところに及ばなくてもいいだろうという組み合わせ。ボルシチが入ってたら「ああ、ロシアつながりね」となるところだが、ここにあるのは隔絶のみ。
憤慨しているのは、居場所をタケノコに奪われたマトリョーシカの子供達だ。いつもの家に帰ってきたら、自分がいる場所に知らない煮物が詰まってる。左端の子供は完全にポカーンとなっている。そりゃそうだろう。一番ちっちゃい奴が、ちびながらしっかり怒り顔をしてるのも楽しい。そんなことは知らんとばかりに、安定のうまさでマイペースのタケノコ。母さんが「これが今日の晩ご飯よ」と告げて、なあんだとみんなおいしく食べれば一件落着だ。購入価格 168円メーカー:あけぼの(小野法師丸)
( 2012/05/03 03:00:00 )