芋と柑橘のケミストリー「さといもそぼろ煮」
「さといもそぼろ煮」である。ただでさえ「芋」と木訥な野菜なのに、ダメを押すように「里」。レタスやエシャロットといった横文字野菜のおしゃれさとは真逆の名前がついている。「小鉢倶楽部」シリーズの一品だが、今回は脱小鉢を図ってよそいき気分を味わわせてやりたい。
フルーツシャーベットやゼリーの器として見たことがある、果物の皮を使う方法。これを里芋に応用してみた。オレンジ側も里芋側もびっくりしてるであろう組み合わせ。オレンジが「そんな話、聞いてない!」とぷりぷりしているところに、里芋が「すんません、すんません…」と繰り返しているようでもある。
食べてみる。そぼろ煮とオレンジの香りは合わなくはないのが意外。里芋のねっとりとした食感を味わいながら、鼻を抜けていくのは柑橘系のさわやかさ。面白いだけでなく、食べ物のマッチングとしてあり得る可能性。そういえば、こういう女性お笑いコンビっているような気がする。オレンジが「こないだジュースにさせられてさあ」と言うと、里芋が「おらもジュースになりてえ!」と無理を言う。コンビ名はそのまま「里芋オレンジ」でいいんじゃないか。購入価格 168円メーカー:あけぼの(小野法師丸)
( 2012/05/02 15:00:00 )