お高く止まってビジュアルショック「とり しお味」
「とり 塩味」である。同じメーカーの「とり たれ味」と同様、調理法については謎に包まれた商品名だ。「たれ味」の方はまだタレの味に工夫の余地がある予感がするが、「塩味」はもう工夫もないんじゃないかと心配になるシンプルさ。しかし缶をよく見ると、たれ味と同じく「うま煮味付風」と書いてある。「塩味って言ったのに、うま煮味付風?」と気持ちを揺り戻される。実体を知るべく、開けてみよう。
今回は高級レストランで出てくるようなカレーでおなじみの、ソースボートに盛りつけてみた。「とり 塩味」という渋さから、缶詰の方も「どうせ俺なんて缶から直接食べられて終わりだろ」とすさんでいるだろう。それを踏まえて意表をついてみた。「…俺、なんか高級?」と戸惑うとり缶。たった一度の缶詰人生、ちょっとおめかしさせてやったわけだ。
食べてみて感じるのは、「やっぱりこれはやきとりを名乗ってないわけだ」と思わされる焼いてなさ。しかし調理法がはっきりしなくても、105円分という価格からするとそのパフォーマンスは納得できるうまさ。ソースボートに盛りつけたとり缶を見て、気づいたことがある。なんかこうすると、逆にキャットフードっぽくなってないか。しばしば見かける高級感を演出するキャットフードのCMの影響だろうか。ほとばしるモンプチ感が新鮮な盛りつけとなった。購入価格 105円メーカー:いなば(小野法師丸)
( 2012/04/30 14:00:00 )