終始腹が立つ「クリームオブチキン」
実に困った缶詰だ。クリームオブチキン。なんかもう味の正体をバラしてる感否めない。それに缶は英語表記だから、調理方法もB面レシピもよくわからない。缶詰の中身からは想像もできないような、これまたよくわからない料理の写真がプリントされていた。正直、あまり関わりたくない缶詰のような気がした。ライターとして、「よくわからない」なんて表現は絶対使ってはいけないのは承知しているのだが、こいつから発せられるこの「よくわからなさ」はなんなんだろう。だんだん腹さえ立ってきた。
缶詰を開けると、想像通りの色をしたものが顔を出す。「はいはい、面白くないよ」と声をかける。さて、こいつをどうするか。ここにきて「食べない」のもアリかもしれない。しかしそれはあんまりだ。「クリームオブチキン」に似たあのバンドの歌でも歌いながら食べるか。それはそれで大人の事情がうるさそうだ。ニフティもこんなことで面倒な手続きをとるのはご免だろう。もういいや、あたためて食べちゃえ。
底に沈んだチキンは身が柔らかく、カップヌードルに入っているあの肉のような食感だ。少し塩気が強い気がする。スープは「クリーム」というほどクリーム要素は少なく、全体的に味が薄い。ぼんやりしている。缶と同量の水で薄めるよう表記されていたが、そこは牛乳のほうがいいのではないか、とキャンベル社に一言申したくなった。なんだって僕はこんなにも腹を立てているのだろう。それはきっと、この缶詰と僕は、どことなく似ているからかもしれない。購入価格 258円メーカー:キャンベル(エヒタ)
( 2012/05/05 22:00:00 )