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缶詰ポータル
  2012年、ゴールデンウィークは缶詰が熱い!

4/29 11:00〜5/6 9:00まで、毎時1缶詰から2缶詰のレビューを更新していきます。
しょっぱいの、あまいの、日本の、海外の、肉、魚、野菜、果物……。
幅広い缶詰情報をどうか受け止めてください。

1缶に漁船1隻分の魚「フュメ・ド・ポワソン」

1缶に漁船1隻分の魚「フュメ・ド・ポワソン」

ポワソンって、もう書いてあるのを読んだだけでフランスっぽさがほとばしる。ポワソーン。メルシー、ポワソーン(ちなみに「ポワソン」はフランス語で魚、魚肉の意味らしい。メルシー、ポワソーン。ありがとう、魚肉。)

なんとなく聞いたことはあるけれど、まったく正体は知らなかった。フランス料理に使う魚の煮だし汁だそうだ。パッケージには通常はコク出しに少量使うか魚料理のソースやブイヤベースに使うとあった。

ぼんやりとどういうものかは分かったが、日ごろおおむね和食ばかりを作り、日本式の洋食ですらあまり作らない(つまり全般的に料理が苦手)私にとっては、じゃあどうしようかというとここまできても何の手がかりもつかめない。

1缶に漁船1隻分の魚「フュメ・ド・ポワソン」
缶をあけたら、ボヨヨンとしたテクスチャでいよいよわからなくなる

しかもこの商品、ちまたの「フランス料理」のイメージとリンクするように高額である。1缶670円。これをどうしようもない料理につかったら。「美味しんぼ」だったら間違いなく国際摩擦が起きるパターンだ。さあどうしよう。

そんなとき、日本食でいうところの潮汁に近いという記述を見つけた。おお、あのすごい旨くてしょぱい汁か。

そういうことなら、蒸し野菜の呼び水として少しのばして使うのはどうだろう。

ちょっとなめてみると、すごいパワーの凝縮された魚のだしの味がした。塩で味をつけて水でのばして、春キャベツと新たまねぎを蒸してみた。

1缶に漁船1隻分の魚「フュメ・ド・ポワソン」
野菜2品の小鉢からあふれる(いい意味で)過剰ともいえるコク、香り

いやこれがものすごい魚味だった。この1缶に漁船1隻分の魚が詰まっているのではとも思えるほどだ。

調理は夜中に行ったのだが、この味に敬意を表して翌朝日の光が入る頃に写真は撮影した。キャベツと玉ねぎ蒸しただけですが、これで国際摩擦は回避の方向に舵を切れたのではないかと思う(漁船の)。


購入価格 670円
メーカー:ハインツ

古賀及子

( 2012/05/03 00:00:00 )



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