丸のままのトマトをトマトジュースに漬けた「ホールトマト」

私の缶詰レビュー第一弾は、「テッラデルソーレ」のホールトマトである。「テッラデルソーレ」とは、イタリア語で「太陽の大地」を意味するそうで、「寺を出る僧侶」ではない。さらにいえば、「メンソーレー」は、沖縄の方言で「いらっしゃいませ」という意味である。ソーレしか合っていない。

ホールトマトという身近すぎる相手に、いまさら何を書いたらいいのかわからないままに書いてみたら、こんなスタートになってしまった。「インタビュー相手がお母さん」くらいに戸惑っている。

ホールトマトといえば、私の人生の中で一番買っている缶詰かもしれないというくらいに、馴染みの深い缶詰である。その味については、いまさら語ることもないだろうと思ったのだが、試しにそのまま味見してみたら、イメージよりも水っぽく、そして酸味が強かった。すっぴんのホールトマトってこういう味だったのか。

こいつをどうやって食べようか迷ったのだが、ここは直球勝負だろう。缶に書いてあった「基本のトマトソース」というのを作って、パスタに絡めて食べてみることにした。

オリーブオイルでニンニクとタマネギを炒めて、トマトとバジルを加えて煮詰めたものをザルで漉したら完成。味付けは塩のみ。出来上がったトマトソースは、「基本のトマトソース」というだけあってさっぱりとしておいしい。ちゃんとしたレシピはちゃんとした味になる。

トマトソースができたところで、パスタを茹でてさあ食べようと思ったのだが、こんな時に限って買い置きのパスタが切れていた。今から買いに行くのも面倒だったので、食パンに塗って、チーズを乗せて焼いて食べた。

要するにピザトーストなのだが、ピーマンの輪切りが乗っていないので、いまいち雰囲気が出なかった。味も手間と時間をかけた割りには、ケチャップを塗ったのと大差ない気がする。

今までも、そしてこれからも長い付き合いとなるホールトマトだが、どうにも盛りあがらない一日を切り取ってしまった。

購入価格 105円
メーカー：日欧商事

（玉置豊）

( 2012/04/29 11:00:00 )