最後にあらわれた主役「スモールサーディン」

スモールサーディン。直訳すれば「小さいイワシ」だ。
箱の写真を見るかぎり、それほど小さそうな感じはしない。よくあるオイルサーディンとあまり変わらないように見える。

それでも、箱の写真は見せかけで小指くらいのイワシが所狭しと油漬けになってたらステキだなー、とささやかな期待を込めて缶をあけた。
缶は少し固く、力を入れすぎてぶちまけないように細心の注意をはらった。

小さくなかった。むしろ箱の写真より大きいくらいだ。
ただ、大きいといいなと思っていたものが小さかったときより、小さいといいなと思っていたものが大きかったほうがショックは少ない（むしろない）ことを学ぶ。

そのまま食べてみる。あまり塩分がなく、素朴な味がする。
オリーブオイルに漬かっていたわりに、ややぱさぱさした食感なのが不思議だった。

パンに乗せて食べてみたら、バターの塩分とよく合っておいしかった。
そのままのやつに塩をふってみたりもしたが、パンとバターに合わせるほうがおいしかった。

全てのイワシを食べ終わったあと、残ったオリーブオイルが缶の底にあったのでなんとなくパンを浸して食べてみた。なんとこれが一番おいしかった（一番おいしかったのに写真がないのは、「これが一番おいしい」と気づいた瞬間にはもうパンも油も胃の中だったからです）。

イワシのうまみがオリーブオイルに全部出ちゃってないか、と思った。
この缶詰の主役はこのオリーブオイルだったのかもしれない。

購入価格 198円
メーカー：エルペスカドール

（べつやくれい）

( 2012/04/29 11:00:00 )