今でも反抗期「脂肪分控えめコンビーフ」

困ったことになってるのだが、30歳を過ぎてから揚げ物を好きになってしまった。
疲れた時に食べる海老天そばとか、本当にこの世のものとは思えないぐらいうまい。油に溶け込んだダシの旨みが脳髄を切り裂く。
しかし堕落した僕に「そんなことではいかんぞ、この中年ビギナーズめが」と警告を与えるのが低脂肪食品である。脂肪は控えてダイエット、楽しく健康ヘルシーライフ、そんな眩しい世界からの声が痛い。

開けたコンビーフはつるんぬるん、としていて全くコンビーフのようでは無い。むしろランチョンミートに似ている。
食べてみると確かに脂は無い。代わりに香辛料の香りが鼻をさす。これは香辛料の香りで食わせるパターンの肉か。
それが分かっていても、やっぱり物足りない。脂肪の味こそ肉の醍醐味だろう。
うむ、ここはいっちょ揚げてみるか。

スライスできるコンビーフは天ぷらにぴったりなのではないか、もしかして人気メニューになれるかも、と思いつつ揚げてみたが、これが驚いた。おすすめできない味である。

衣の中がぬちゃっとしているのが致命的である。
揚げ物のネタというものはエビでもカボチャでも中身は「ほっこり」している。サクッ＆ほっこり、これがうまい揚げものの鉄則だ。
というわけでコンビーフはダメだ。普通に食った方がうまい。今日も教訓が得られた。
「コンビーフ、揚げたらあかん、コンビーフ」

購入価格 363円
メーカー：ノザキ

（加藤まさゆき）

( 2012/05/01 17:00:00 )