流行というものがある。
それは「服」だったり「髪型」だったりする。色にだって流行は存在する。そんな流行の波に乗らなければダサいと言われる原因になる。たとえば、いま肩パットがたくさん入ったスーツを着るのはダサい。やはり流行を追うのは大切なのだと思う。

弟が流行に敏感だ。
「服」や「髪型」はもちろんだけれど、「病気」の流行にも毎年必ず乗る。その結果、毎年救急車にも乗る。弟の彼女から「佑亮君（弟の名前）が救急車で運ばれました」と連絡が来れば、今年もそんな時季か…と思うほどだ。流行で季節を感じるのだ。

流行の病気とはインフルエンザなどだ。
早く病院に行けば、薬で治る気がするけれど、弟は何でか毎年少し手遅れで、そして体が弱いのか、かかってしまうと熱が40度を越えて来るらしいので、救急車のお世話になることになる。ちなみに兄の僕は一度も救急車に乗ったことがない。

2日前も弟は救急車で運ばれた。
今年は「ノロウィルス」が流行っているらしく、弟はキチンとその流行に乗った。2、3日で治るかと思いきや、2日目にいったん下がった熱が40度まで跳ね上がり、救急車に乗ることになったのだ。弟の彼女から「佑亮君が救急車で運ばれました」と電話が来たので「マジで、アハハ」と笑ったら「なに笑ってんですか！」と釣り上げられて跳ねるサバのようなテンションで怒られた。

「愛だな」と思った。
弟の彼女は弟を愛しているから、釣り上げられて跳ねるサバのテンションで僕を怒ったのだ。愛する人が病気なのに何笑っているの、と。流行を追うとその先には愛があるのだとその時感じだ。僕も何か流行に乗らなければ、そして愛を手に入れなければと思った。取り急ぎ「AKB48」を応援しようと思う。流行しているから。そして僕は真実の愛を手に入れるのだ。

そして、「かき揚げ」は今後流行するのでは、と思うおにぎりだった。
ローソンストア100のBeginnerには、これが105円でいいのかと思うボリュームなのだ。ごぼうの入ったかき揚げが、まるまるひとつご飯の上にのっている。そして甘辛いタレがかき揚げをおおい、その美味しさに今後ヘビーローテーションするだろうと思った。ポニーテールとシュシュの関係のように、かき揚げとご飯は愛称が抜群なのだ。いつまでも変わらぬ味でいて欲しいと願ってやまない、おにぎりだった。 ( 2011/01/27 21:00:00 )