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春と股割り

春と股割り
ホント寒い

3月の終わりなのに真冬のように寒く、春が来るのを拒んでいるかのような日だった。その日、僕は好意を寄せていた女の子と映画に出かけた。僕が彼女を誘ったのではなく、彼女が僕を映画に誘ってくれたのだ。何日も前からワクワクしながらその日を向かえた。

映画館の近くで待ち合わせをして、僕と彼女は一緒に歩いて映画館に向かった。風が冷たく、僕らは違うが途中すれ違うカップル達はみな手をつないでいた。映画館に着くとチケット代は僕が二人分払った。途中の会話で自然にそういう流れになっていたのだ。

館内に入ると彼女は「わたし映画はひとりで観たいから、地主君、その辺で見て」と前の方を指差し彼女は一人後ろの方の席に座ってしまった。僕は「あ、うん」とあいまいな返事をして僕は彼女が指差したあたりに座った。

映画が始まると僕の隣には老夫婦の奥さんの方が座っていた。もし僕が彼女と結婚して老後を迎えたらこんな感じで映画を見に来るんだと思うと幸せだった。でも、彼女は一人で映画を見るのが好きだから隣にはいないのか、その辺はおいおい解決していくか、などと考えていると楽しかったけれど、映画にはあまり集中できなかった。また、隣の奥さんはトイレが近く僕は何度も席を立つことになった。

映画館を出ると彼女は「じゃ」とできるサラリーマンみたいに颯爽と帰っていた。一緒に映画に来た意味があったのかなど、いろいろと意味が分からない一日だった。ただその日の天気通り僕に春は来なかったことだけは分かった。

さて股割りだけれどまったく割れない。股に春が来ない。春よこいと思いながら、本日も股割りに励んだ。 ( 2009/11/03 21:00:00 )




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