階段のうち、石で作られたものを石段という。
これまで散々私は鉄の階段が良い良いと繰り返してきたが、石の階段もまた風情があって良いものだ。

写真は紀伊半島南東部に位置する三つの神社、熊野三山の一つである熊野那智大社の大門坂。
那智の大滝で有名な、古くより信仰されている神社の参道だ。
いわゆる古道ということもあり、石段や石畳には苔が生し、辺りには古木が立ち並んでいて歴史を感じさせられる。

この坂はかつて大門という関所のようなものがあり、通行者はそこで11文の通行料を徴収されたそうだ。
それが今では無料でこんな良い雰囲気の階段を通ることができる。良い時代になったものだ。

現在、高速道路を無料化するとかしないとかいう議論があったりするが、
あと300年とか待ってみれば、それらもきっと大門坂のように無料になるに違いない。
それまでに、高速道路が維持され残っていればの話だが。 ( 2008/09/16 16:00:00 )