写真は十年ほど前の、とある朝の我が家の玄関を再現したものである。
朝、二日酔いで目覚め、大急ぎで会社に行く準備をし、さあ出かけようと玄関に立ったところ、そこにあったのはいつもの革靴ではなく、サンダルだった。 それはまぎれもなく、居酒屋で便所に行くときに履くサンダルである。
革靴の代わりに、便所のサンダルが存在する、我が家の玄関に。 と、意味なく倒置法で現実を再確認してみたが、どう考えても前の晩に飲んだ居酒屋で間違えて履いてきてしまったものだ。
新人サラリーマンだった僕は、仕事用の革靴は一足しか持っておらず、やむなく便所のサンダルで会社に行ったのだ。
お酒の上での失敗は数限りなくあるのだが、これが最もプチ不幸な失敗である。(それ以外のは「プチ」とはいえないものばかりだ。)
この事件を機に、お酒の飲み方を変えることにした。 こんなことを度々起こしていてはやっていられないと思い、一念発起したのだ。 だから、この日以来僕は、居酒屋で便所に行くときは自分の靴で行くよう、堅く自分に誓ったのである。
でも最近はその誓いすら守れていない。 ( 2007/01/31 10:00:00 )
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