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ロマンの木曜日
 
弘法大師の移動速度を計算する

移動距離はどれくらいになるか

さきほどのスポットを、そんなに遠回りでもないように辿るルートを計算してみたところ、こんなふうになった。

経路図。ほんとはもっと短くできるんだけど、ひとまず。

この場合の移動距離はぜんぶで19000km。すごい距離である。

彼が全国で活躍できる期間を40年間とすると、毎日8時間移動したとして時速100mだ。

さらに奇跡が5000件だとすると、単純計算で時速1kmである。

あれ、意外といけるな。

種類別に振り返る弘法大師の奇跡

じつは彼が起こした奇跡は水を湧かすことだけはない。

一夜のうちにお寺を建設したり、逆に水を涸らしたり、さまざまなイリュージョンを展開しているのだ。いくつか見てみよう。

水を涸らす弘法大師

意外に多いのが、不道徳の罰として水を涸らすというパターンだ。

「川の渡し場で、強欲な船頭が料金のわずかに足りない客を断ったことが弘法大師の耳に入った。すると川から水がなくなり、船頭は夜逃げした。」(神奈川県、水無川)

水無川というのは、扇状地などで水が地下を流れる場合によくつけられる川の名前だ。

こういう不思議な現象は、とりあえず弘法大師のせいになる傾向がある。

珍しい食べ物をくれる弘法大師

食べ物に関する奇跡もある。

「旅の僧に栗をあげたところ喜ばれた。それからここの栗は一年に二度実るようになった。旅の僧は弘法大師であったという。」(埼玉県、二度栗山)

果実が一年に二度実るという珍しい現象が弘法大師のせいになっている。

逆に、渋柿しか実らなくなった土地は、弘法大師に柿をあげなかったからだという伝説も多い。弘法大師、意外と心が狭いのかもしれない。

次々と寺を建てる弘法大師

「四国88ヶ所第26番札所である金剛頂寺は、弘法大師の創建と伝えられる」(高知県)

弘法大師のお膝元である四国には、弘法大師が建てたことになっているお寺が大変多い。

今回調べただけでも43個のお寺が彼の創建であり、多忙というほかない。

まとめ

伝説を信じる限り、彼は相当な早歩きである。

実を言うと弘法大師には飛んで移動したという伝説もあるのだ(愛媛県)。であれば辻褄は合う。さすがであります。

なんで弘法大師の伝説がこんなに多いのかについてのまじめな説はいくつかあるようですので、興味があれば「弘法大師伝説集」をご覧下さい。国書刊行会です。



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