現役怪獣ファンの評価をあおごう
人形小芝居のクライマックスにやってきた、ウルトラ柄のエレキング。なんだろう、この感じ。
不審さを漂わせながらも、なんだかかわいい感じもする。頼もしい正義の味方とは思えないが、とりあえず悪い奴じゃなさそうではある。
ウルトラマンと並べると、そのよき忠犬という感じもしてきた。元のエレキングだった頃の悪役感はすっかり抜け落ちた。
色を入れ替えた違和感は十分に漂ってくる。自分で作ったものにも関わらず、なんだか妙なものが目の前にあって楽しい。
では、これらの入れ替え人形を企画の意図を知らずに見た場合、本来のものと比べてどんな印象を受けるのだろうか。
協力をお願いしたのは、当サイトのライター、西村まさゆきさんの息子さん。小学1年生のタロウくんだ。
待ち合わせたファミレスでも、家から持ってきた怪獣の骨組みミニ人形をお父さんと一緒に組み立て始めた。やはりこの年代、恐竜や怪獣に興味があるようだ。
現役の怪獣熱中世代、タロウくん。「これからヒーローや怪獣の人形を見せるから、かっこよさの順位を決めてほしい」とお願いしてみた。
快諾してくれたタロウくんにまず見せたのは、エレキング柄ウルトラマン。見慣れないウルトラマンに驚いたあと、飛び出したのは「牛ウルトラマン」という言葉。
ああ、おじさんもう心洗われ始めてる。怪獣柄という先入観がないため、感想がピュアなのだ。
続いて出した普通エレキングは悪役、その次の普通ウルトラマンはヒーローと、それぞれの立場を読み取る言葉をつぶやくタロウくん。
エレキング柄のウルトラマンがいい奴か悪い奴か聞いた見たところ、「牛だから悪くない」。
そうだ、牛は悪くない。おじさんもそう思う。ウルトラマンのフォルムがそもそも正義である上に、牛柄なのだから悪い奴のはずがない。
最後に登場したウルトラマン柄エレキングにも楽しそうな声を挙げてくれた。「怪獣の形だけど、ウルトラマンの色だからいいやつ」と言うタロウくん。おじさんと意見が一致したね。
結果、1位は牛ウルトラマン。2位がウルトラ柄エレキングと、私が作ったものが上位を占めた。なんか、うれしいではないか。
3位が普通ウルトラマンで、普通エレキングが最下位。牛ウルトラマンは正義側という設定だから、タロウ君の考えるかっこよさは「正義」とつながりが深いのかもしれない。
なじみの色を入れ替えると、どんな風に見えるのかを試してみた今回の試み。違和感とともに湧いてきたのは、意外性という楽しさ。
結果的にすっかり騙された父も、変な人形を見せられたタロウ君も、楽しそうにしてくれていてうれしかった。普段の認識が入れ替わることには、人をそうさせる要素があるのかもしれない。
今回使用したアプリ「ツブカラ」はこちらからダウンロードできます。
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