札幌はいい人ばかり
何も見つからずに藻岩山でのニホンザリガニ探しは終わった。下山中に出会った人に「ニホンザリガニいないですかね?」と聞くと「いないでしょ」と太陽は東から昇るくらい当たり前のように言われた。
「いないでしょ」と絶望を教えてくれた方の車で最寄駅まで送ってもらうことになった。見ず知らずの人を乗せてくれる優しさ。ついでにポケットからニホンザリガニも出してくれないかな〜と思ったりもした(出なかった)。
最寄駅までの予定が途中でお家に呼んでいただき、昼食をご馳走になった。62歳の女性なのだがファンキーでカッコよかった。話している最中に「ニホンザル探しに来たんだっけ?」と言われたりした。ニホンザリガニには全然興味がないようだ。
中学生に聞く!
美味しい昼食の後に向かったのは平岡公園。 ここにニホンザリガニをいるかもしれないとTwitterで情報をいただいたのだ。張り切って電車を乗り継ぎ最寄り駅(だと思っていた)の上野幌駅に向かった。後で気がついたが全然最寄り駅ではなかった。
随分とのどかなところにあるけれど、裏側には綺麗な家々が並んでいた。イメージ的にニホンザリガニは「となりのトトロ」みたいなところにいると思うのだけれど、全然そんな感じはない。100歩譲ってもトトロがDSをしながら歩いていそうな住宅街なのだ。
平岡公園の近くでジャージを来た中学生たちに「ニホンザリガニ知らない?」と眉毛をかかれた子犬のような顔で聞いたら「こっち!」とその場所まで案内してくれることになった。聞いてみるものだ。
彼らは近くの中学校のサッカー部員。 なぜ走っているかというと、ランニングの途中だったというのもあるけれど、彼らは1、2年生で「やばい3年いた、逃げろ」という理由で走っている。部活を抜けザリガニ探しをすることを3年生が許すはずがないから正しい判断だ。
一日目最後のトライ
中学生の話ではここで去年の春、ニホンザリガニを捕まえたとのこと。かなり有力な情報だ。その有力な情報のついでにポケットからおもむろにニホンザリガニも出してくれないかと願った(出なかった)。
ほとばしる若さ。 僕もその若さに負けないように落ち葉をのけてニホンザリガニを探す(ニホンザリガニは落ち葉や石の裏に隠れている)。でも、見つからない。
そのうち、ほとばしる若さの一人が靴を脱ぎ水の中に入って探し出した。でも、見つからない。
その後はカエルいた! と生き物を見つけるとニホンザリガニを見つけたかのようにみんなで喜ぶシステムに変化していった。
ニホンザリガニは生き物だ。 カエルも生き物だ。狭い視野ではなく広い視野で見れば、もはやカエルもニホンザリガニなのではないだろうか。通常の視野でのニホンザリガニはここでは結局見つからなかったけれで、そういうグローバルな視点では見つかったと言えるだろう。