わかってきたかも
と、町こうばの広がる街を歩き始めてすぐは不安にかられたが、30分もすると魅力がわかってきた。「町こうば」という呼称はダテじゃないのだ。
どういうことかというと、コンビナートなど大規模な「こうじょう」が工業地域にあるのに対し、「こうば」は住宅街に隣接しているのだ。多くの場合、住宅と一体ですらある。
なので、ぱっと見「普通の家のフリ」をしているのだが、にじみ出る「こうば感」は隠しきれない。一般家庭ではあり得ないでかいシャッターや尋常じゃない軒高などがしれっとふつうの住宅と一体になっている。そこがあいらしい。やけに重厚なスチール製の扉など、素材感にも注目だ。
生産現場として必要な空間の大きさと住宅のそれとはちがうのだ!
そりゃそうだ。でも、こうやってひとつの建物に両方がおさまっているのを見てぼくははじめてそれを意識した。みんなも意識するといい。
同じ人間が身を置く空間なのに、ふるまいによって違ってくるっておもしろい。