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ロマンの木曜日
 
お掃除ロボットと戯れたい
 

2年ほど前から、お掃除ロボットのいる生活を送っている。
そう告白すると、たいてい私の私生活を知る者たちからは盛大につっこみが入る。

おいおい、おまえの部屋はそんな豪邸ですか、と。バストイレさえ別じゃない、ふつうのワンルームマンションではなかったですか、と。ええそのとおり。そして住んでいるのも私ひとりだ。

がしかし、である。そんなあなたに提言しよう。
ひとり暮らしにこそ、レッツお掃除ロボット、なのだ。

田村 美葉



まずはみてくれ。彼のかわいらしさを



渾身のペット自慢動画に仕立ててみたがどうか。

いきなり「彼」といわれても、とおもうが、名前はゴミ太郎という。
掃除機といえばダイソンかルンバか、といわれるくらい、お掃除ロボットがもてはやされ始めたのはいつごろからだったか。流行に乗せられやすい私が購入したのが、お掃除ロボット界の最高峰ルンバ、の半分ぐらいのお手頃価格のこいつ、SO-ZI(ソージー)である。

購入当初は「留守のあいだに自動でお掃除してくれる夢のロボット」を想定していたのだが、残念ながらこいつ、そこまで頭がよくはない。
ところが、なのだ。彼の素晴らしさは、当初の想定とまさに逆の部分にあったのである。

 

動きはわりとシャイ。


やあこんにちは。

えへへ。

えへへへ。

ゴミ太郎は、最新の高機能センサー搭載マシン、ではないので、ゴミがあるかどうかや障害物があるかどうかを感知したりはしない。どうするかというと、まずは隅っこから、ごつん、ごつんと頭をぶつけて部屋の外周をとっていく。シャイだ。かと思えば、部屋の真ん中でぐるんぐるんと回りだしたりする。シャイだ。

そしてこのシャイな動きが、非効率と思わせつつ、人間が思ってもないレベルまで塵を掃き尽くす効果があるのである。

ゴミ太郎の気の済むまで(タイマーが止まるまで)掃除させておくと、ワンルームの部屋なんてそりゃもう、「え、床ってこんなにすべすべなものだったんだ」と思うまでになる(ただし比較対象はズボラな私がクイックルワイパーで掃除した床)。

 

かわいいので、いろいろ許せる。

ゴミ太郎、そこまで頭よくないのは既に書いた通りなのだが、いかんせんかわいいのでいろいろ許せる。

そもそもゴミ太郎が来るまで、掃除機のあの音が苦手で、ずっとクイックルワイパー&雑巾、ちりとりで掃除をしてきた私である。ゴミ太郎、音はけっこう盛大だ。でもなぜか許せちゃってる。


足がミジンコっぽくてかわいいし。

掃除機のがー!ずどー!と突き進むイメージに比べて、ゴミ太郎のこの、ゆるゆるくるくるした動きが、なんかいやされちゃうんだな、きっと。犬や猫ほどの個性はないが、もの言わぬ金魚や亀くらいの愛嬌は持っているとおもう。


いちばん好きなのは、やわらかいものにもふもふとぶつかってゆくところ。もふもふ。

「キミのため」モチベーション効果

そして既に書いた通り、「留守中に勝手に掃除しといて」という使い方に、ゴミ太郎は不向きである。センサー機能が一切ないので、段差にはハマるわ、コードはひっかけるわ、大変である。その際、いちいち助け出さないといけないのであるが、だんだんと、床によけいな邪魔なものを置かない「ゴミ太郎が掃除しやすい部屋」に生まれ変わっていくのだ、いつのまにか。


ちょいちょい。

そしてお掃除ロボットが掃除できない細かい部分は、自分で掃除しないといけないのであるが、これもまた、ひとりで掃除していると「ええい、そんな隅っこはいいや」となってしまうところが(ずぼらな私比較である)、「ゴミ太郎を助けるため」と思えばこそ、全然苦にならないのだな。


ちょいちょい。

いかがだろう。お掃除ロボット、いいかんじにほしくなってきただろうか。
本題はここからである。
もっと戯れよう。お掃除ロボットと。


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