試食で客を集めてみる

このままのペースだと食材が余ってしまうのではと不安になってきたのだが、お昼前になってどうにか雨がやんでいる時間が長くなってきた。

例年に比べればまだまだの入りなのだろうが、昼飯時ということもあり、そこそこ人が増えてきた。一緒にやっている焼津式カレーうどんの店は長い行列ができはじめている。

ここで作戦会議。味の想像ができないところが深海サメカレーの強みなのだが、想像できなすぎて購入に結びついていないのではないだろうか。

深海サメと聞くと、子供は首をすくめて怖がり、 若い人は一歩下がって目をそらし、 年配の方は眉間にしわを寄せる。商品が商品なので、興味のある人は迷わず買ってくれるが、ダメな人は近付こうともしない。

ということで、急遽試食用のサメフライを用意して、目の前を通る人達に食べてもらうことにした。

試食の効果なのか、他の店が早々に売り切れだしたからなのか、午後になると売り上げのペースが緩やかに上昇。

当然購入に至らない場合も多いが（試食すら嫌がる人もいた）、それでも不安そうに試食をした人に「おいしいですね」と買ってもらえると、今までやってきたことが認められたみたいでとてもうれしい（もはや私も店の一員感覚だ）。

そしてご飯が売り切れた

イベントの終了は午後四時なのだが、午後三時にはご飯が売り切れて、無事に焼津深海さめカレーは完売となった。

計算では同時になくなるはずだったルーとフライがまだいっぱい余っているのは、盛りつけるのが男だから、ついつい自分基準でご飯の盛りが多くなってしまったから。

そのあたりは今後の課題だが、出だしの不調っぷりから考えれば、大健闘の結果である。

ご飯がなくなったことで急遽登場した新メニュー、「サメフライのカレーソースがけ」は、すでに完売して打ち上げムードになっているブースの人達にはビールのつまみとして売れていたが、カレーライスを食べにきたお客さんの琴線には触れなかったようで、それほど売り上げが伸びなかった。

商売って本当に難しいですね。

サメカレー、第三者目線での取材をしようと思っていたのだが、すでに来年はこうしようみたいな話を一緒にしていた。明日、都合で手伝えないのが申し訳ない。

来年はおそろいのTシャツを着て呼び込みをしている気がする。