雨で客がいない
準備万端整ったところで、イベント開始の時間がやってきた。スタートと同時に多くのカレーファンが会場内に押し寄せるかというと、これがびっくりするぐらいお客さんが入ってこない。
雨なのだ。
この日は朝から雨が降ったりやんだりのはっきりしないお天気で、イベントスタートの時間も、傘が欲しくなる程度に振っている。どんどんとサメていくサメフライ。
長谷川さんは「カレーは寒くても暑くても食べたくなるから大丈夫ですよ!これからです!」といっているが、商売仇となる他の店もカレー屋だ。
そして長谷川さんはトトロになった
カレーの売れ行きはポツリポツリ。買った人がその場で食べるわけでもないので、感想を聞くことができないのがちょっと寂しい。こういうのって他の人が食べているのをみると食べたくなるものだが、サメカレーは見た面が地味なのでそれがない。
店の中で雨宿りをしていてもダメだとばかりに、長谷川さんは店の前で客引きをはじめた。
「ここでしか食べられない、焼津の深海サメカレーです!」
この宣伝文句に対して、遠くから眺めるだけの人、へーどまりで通り過ぎる人。ある人には、「普通のはないの?」といわれて、頭が真っ白になった。
このイベントのお客さんはカレーを食べにきているので、みんな深海サメに興味が薄い。自分が好きなものがみんなも好きなわけではないという当たり前のことを強烈に実感。
あまりに暇なので会場内を一周してみたら、カレーだけでなく、いわゆるB級グルメの強豪たちも出店をしていた。
このイベントの出店ルールがよくわからないのだが、もしかしたら深海サメカレーではなく、シンプルに深海サメフライでよかったのかもしれない。