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ひらめきの月曜日
 
うどん餃子は本当に高槻名物か

うどん餃子はやっぱりハンバーグか


長かったな。

紆余曲折を経てやっと辿り着いたうどん餃子のお店。居酒屋のようだ。さぁ、うどん餃子は一体何なのか実際に食べて見極めたい。


とりあえず、で、冷や奴とビール。

中に入ると民家のような内装に、オープンキッチンの向こうはプロ仕様の台所。民家とキッチンに挟まれて、うどん餃子を注文し、その間冷や奴とビールを頂きつつ、待つ。


どう見てもハンバーグだ。

ぼーっとテレビを見ていると、店主が冷蔵庫からタネを取り出して混ぜ始めた。ハンバーグだ。やっぱり、うどん餃子はハンバーグだ。ここに来て、やっぱり!やっぱり!とうどん餃子が餃子じゃ無い事に気持ちが盛上がる。


ハンバーグだ!これ絶対ハンバーグだ!!

そのタネを丸めて焼きに入る。もうハンバーグは揺るがない。そろそろうどんハンバーグが焼き上がりそうだ。

僕「うどん餃子ってハンバーグみたいですね」

ちょっと嬉しくなって話しかける。

店主「そうでしょう、でも、餃子なんですよ」

そう言ってフフフと笑う店主。どういう意味の笑いなのか。

 

うどん餃子は餃子だ

焼き上がったうどん餃子が運ばれてきた。焼き上がりはやはりハンバーグ。白い部分がちょこちょこ見えるのが不思議だがこれを餃子と呼ぶ人はまずいないだろう。


あ、お好み焼きっぽくも見えるな。

一口食べる。これはハンバーグだ。と確信する。表面がカリッと焼かれていて美味い。中のうどんはモチッとした食感でアクセントになっている。


ポン酢とカラシで食べます。

あぁ、変わり種ハンバーグだな。と食べ進めると味が変わる。小麦粉とひき肉が混ざり合うと口の中で餃子が現れるのだ。素材は同じだけれども食感が違う、でも餃子の味。なんだこの不思議な感覚は。

店主「一応餃子の味付けにしてるんだけど、本当に餃子みたいになるでしょう」

おおぉ、確かにこれは餃子だ。うどん餃子だ。

 

うどん餃子は手抜き料理

僕「不思議な感覚になりますけど、本当に餃子ですね!これって、昔っから食べてたんですか?」

店主「私はここの出身じゃないんだけど、友人の居酒屋で出してた料理で、好評だったから出してみなよ。って言われて出し始めたの」

僕「その方は高槻の方だったんですか?」

店主「そう、高槻の一部で食べられていた料理で、昔の食料が少ない時にお肉のカサを増やそうと餃子とか作ってたんだけど、包むのが面倒だからうどん混ぜちゃえって混ぜたら美味しかったのが始まりだって」

僕「手抜きだ。それが今では名物料理になってるって面白いですね」


手際よく焼いてくれました。

店主「ホントにねぇ。一回高槻のお祭りに出したら大人気になって、それで市が売りだそうとしてくれて、百貨店とかにも出展したら凄い行列でビックリしたわ」

僕「何があるかわかんないもんですね」

店主「私も、これが何でそんなに?って思うけれど、これ食べるために来てくれるお客さんがいたり、小学生にうどん餃子教室開いたり、みんな楽しんでくれてるから良いかなと思って」

あぁ、そうだなぁ。名物出来てみんな嬉しいんならどんなもんでも名物で良いよなぁ。まだ全面的に高槻に広まってる訳では無いみたいだけれど、うどん餃子は高槻名物で、これからもっと広まればいいなぁ。と思った。

面白かった、うどん餃子。名は体を表した意味のわからないネーミングが秀逸だと思う。もちろん食感や味も面白くて美味しくて作るのも簡単だそうなので作ってみたらばいかがでしょうか。

市役所で貰ったレシピ 2〜3人分

合い挽きミンチ 200g
ゆでうどん 1玉
玉子 2個
ニラ 1束
椎茸 大一個
おろしニンニク ひとかけ分
塩こしょう 少々
ごま油 大さじ1

ニラ1センチ、うどん2センチ位に切り、全部混ぜて焼く。超簡単。


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