隠れるスポットは潮の流れない場所
明確な定義がなく感覚で探さなければいけない以上、 大切になってくるのは上京当時の「隠れる場所が欲しい」気持ちを思い起こすことである。
いままでに見たこともないような広く複雑な駅を行き交う凄絶な人の流れ、 とにかくそんな人混みの中から一瞬でも抜け出してホッと一息つきたい。 理由はないけどとにかく休みたい。田舎に帰りたい。わたしは貝になりたい。
そんな気持ちを思い起こすと、足は自然に隠れるスポットに向いて 簡単に見つけることが出来た。
目の前の人通りは往来が激しいが、ここは通り道の隙間のため流れのない隙間を 形成していて、ちょうど磯だまりような空間である。
丸の内中央口前の3番ホームエスカレーターの横
評価:★★★★☆
大型モニターは節電の影響で切れてる可能性あり。 もし稼働してた場合はあまり落ち着かないので期間限定の隠れるスポットかもしれない。
建築の奇跡的隠れるスポット
隠れるスポットは建物の構造としては無駄な空間なので、 なるべくないように作られるもの。 だからあまり存在せず、あっても物置として使われたりしていることが多い。
そのため本当にただの隙間ような、純粋隠れるスポットは非常に貴重であり、 とても魅力的である。
階段と柱の非常に狭いスペースに弁当屋が片方を塞ぐことで、 人間一人がちょうど収まるコの字型隠れるスポットが形成されている。 隠れクマノミにとってのイソギンチャクのような奇跡的隠れるスポット。
ここで仕事したらものすごくはかどる気がする。
9番ホーム駅弁屋の後ろ
それでも満点でないのは外で寒いのと地面が汚かったからです。 これで駅内にあってイスやシャワーも完備してたら申し分なかったのだが。
隠れるスポットは明度が低い
ここまで隠れるスポットを探してきて気づいたことは、 良い感じの隠れるスポットは総じて明度が低いということである。
人通りのあまりないところは明るい必要がないので暗い。 暗いと周りから見えにくいので安心できる。 この連鎖反応がただの通路が隠れるスポットへ細胞分裂する重要な要素のようだ。
新幹線南乗換え口正面 四谷十三里屋の横
隣が大学芋のお店なので甘くて良い匂いがして、 まるで映画館のロビーみたいな素敵隠れるスポット。
ただあまり暗いところでジッとしてると不審者だと思われるのではないかという疑念が 膨らんでくるので満点とはいかなかった。
暗いところが安心するとか言っておいてとんだ天の邪鬼だが、 目立ちたくはないけれど注目はして欲しい、ガラスの十代みたいな感じです。
最もオススメの隠れるスポットは・・
ということで東京駅構内を探し回った結果、以上のような隠れるスポットを見つけることが出来た。
そしてその中からあえてどこが一番隠れるスポットとして優れているかを決めると、 個人的にはここを選びたい。
正直隠れ具合としてはそんな周りから見えないと言うこともない。 むしろよく見える方だと思う。
ただそれが逆に怪しまれにくい。視界には入っているけれど見ていない、 という絶妙な隠れ具合が決め手になった。
明日から隠れるスポットじゃなくなるかもしれない
よく隠れスポット紹介記事で言われることは、紹介したら客が殺到して全然隠れスポットじゃなくなった ではないかという問題である。それは隠れるスポットにも当然起こる可能性がないとは言い切れない。
明日から人混みに疲れた人たちが行列をなして狭い柱や壁の隅に並ぶ、 ということもあるかもしれません。