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はっけんの水曜日
 
箸が転がり、M字開脚するカラクリ人形


取っ手を回すと箸が転がるという作品。つまり…

「オートマタ」という言葉をご存知だろうか。

日本語で言えばカラクリ人形、カラクリ玩具。
こういう語感から受ける印象は、たいてい「素朴な」とか「癒しの」など、ほんわかとしたものだろう。

しかし最近、とあるオートマタ作家さんを知ったのだが、とても妙に面白い作品ばかりで驚いた。皮肉、そして時に毒気をも匂わす木のおもちゃの数々なのだ。何だこれは!何だこの人は!

気になって仕方がないので、はるばる山口県の工房まで訪ねに行ってしまいました。

乙幡 啓子



撤収直前につかまえて

さかのぼること、昨年の秋のこと。多摩川の河川敷で定期的に行われる「もみじ市」というイベントに出かけてみた。これは、さまざまなクラフト作家やクリエイターの方々が出展する、手作りの祭典である。自分の制作活動の参考になるかと、足を運んだのだ。


年々規模も大きくなっているようで、かなりの人出。
そんな中で出会ったのだった!

知り合いのクリエイターさんのところへ遊びに行くと、その人から「あの二象舎(にぞうしゃ)さんは面白いからぜひ行ってみて!」と熱心に勧められた。へぇ、カラクリ人形?じゃ、あとで行ってみます、と言いつつあっちへふらふら、こっちへふらふら、ビール、焼き鳥。

そのうち撤収時間が近づいてきたようなので、急いでその「二象舎」さんのブースへ、行ってはみたがもう端っこの展示から片付け始めているところ。

それでも、と幾つかのオートマタ作品に触れてみたところ、うわっやべー、これ面白いわー!!

…というわけだ。
ひとまず、そのオートマタ作家「二象舎」による作品の、一部をご覧ください。ちなみに上のもみじ市では写真や動画を撮る余裕もなく、かろうじて名刺交換だけしかできなかったので、後日の展示会や取材の時の動画です。


作品名「箸が転んでも可笑しい」。つまりそういうことです。


作品名「M」。つまりそういうことです。


もう一目瞭然、日本人のDNAに深く刻まれたバレリーナ像。作品名「SWAN LAKE」


ほら、ほら!がぜん興味がわいてきたろう!と、ドヤ顔で今、バナナ叩き売りのように私は机を叩いている。

コント的、寓話的イメージなどを題材に、木彫りのオートマタでもって一種独特なオブジェへと昇華している。材料が木ということもあり、一見素朴でかわいい。しかしいくばくかの皮肉や毒をもはらんで、軽妙なカラクリおもちゃになっている。欲しい…

というわけで、二象舎アトリエのある山口まではるばる出かけていった。


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