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ひらめきの月曜日
 
どうでもいいこと反抗期

穏やかでピースフルな反抗期

いよいよ外出しようとする反抗期の大人。これまではもっさり系の家着でいろいろ試していたが、ここは外見にもテーマを反映させたい。反抗的な若者のファッションとは、常に世の中を騒がしくさせるものだ。


ババーン

自分なりに編み出した反抗期ファッション。一見なんでもないように見えるかもしれないが、そこには服飾のタブーを取り入れているのだ。

気の持ちようによってはかっこいい
あー、これ気持ち悪いわ

前後逆に着ているのだ。服の前後という制度に対する反逆である。

首のところに触る布地がじわじわと不快だが、先端的なファッションにおいて、デザインが快適さと引き換えになることは往々にしてあることだ。この場合もそういうことなんだと思う。

そしてもう一つ仕込んだギミックがある。


微妙

靴下の左右が別々なのだ。

と言っても、同じグレー系なのでよく見ないとわからないくらいの差。普段から地味な靴下ばっかり履いているからだが、ファッションにおいてはこういうかすかな違いに、その人のポリシーが反映されるのだと思う。


街に繰り出せ!

というか、これって時々反抗期と関係なくやってることだ。朝の忙しいときに限って服の前後を間違える。出がけに靴を履こうとして、靴下が左右違うことに気がつく。

そこであわてて一般的なルールに従って着直したり履き直したりする自分。今回はそんな従順な自分への反抗としての意味も込めてみたい。

近所の中学生自転車軍団とすれ違うのを避けながら、そっと街に出てみた。


バイク…
学校…

今回のテーマは「どうでもいいこと反抗期」。だから、反抗するのはあくまでどうでもいいようなことだけに限定。バイクは盗まないし、ましてや走り出さない。夜の校舎の窓ガラスを壊して回ったりしないし、そもそも夜じゃない。

つまりはすることがないのだ。


牛乳買うのを頼まれる反抗期

「どうでもいいことに反抗する」ということは、逆に言えば「どうでもよくないことには従順」ということでもある。

例えばそれは、交通ルール。青信号になったのを確認して、左右に注意しながら横断歩道を渡る。交通ルールを守ることはとても大事なことだからだ。

手に持った袋の中身はおつかいを頼まれた牛乳。妻からの買い物指令は、やはりどうでもいいことではないからだ。


あ、なんだこれ

歩いている途中、道の片隅に「おっぱい石鹸」なるものの箱が落ちているのを発見。中身が入っていないことが逆に想像力を喚起させる。中学生の頃だったらみんなで大興奮だろう。そのあたり、反抗期を彷彿とさせるアクシデントだ。

なんか靴がカチカチいうなと思ったら
パチンコ玉が埋まってた

のど飴の中には逆に丸かじり推奨のものもあった

どうでもいいことに特化した大人の反抗期。我ながら、とことんどうでもいいなと思う。

本物の反抗期にそういう態度になることにはちゃんとした意味があるのだろう。精神的な成長のために必要な一局面なのだと思う。対して、大人の反抗期には意味がない。

そういう点では、今回のような行動こそが「理由なき反抗」なのだと思う。しかし、言葉こそいかめしいが、加速したのはおとぼけムードだけだった気がする。

身をもって体感したので、今後ピスタチオはしっかりと殻を剥いて食べていきたいと思う。


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