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ちしきの金曜日
 
「ういろう」は全国的なものだった

小田原にもある「ういろう」

というわけで次なるういろうを求めて東海道線下り列車に乗っています。目指すういろうは小田原にあるらしい。


平日午後の東海道線下りの旅っぽさが好きだ。
やってきました小田原。シンボルのでかいちょうちん。

ういろうの起源はよくわかっていないらしいのだけれど、なんでも小田原を発祥の地とする説もあるのだとか。

正直発祥とかどこでもよく、愛知限定の奇食でないことがわかっただけでも調べた甲斐があったのだけれど、こうなってくると小田原のういろうというのが食べてみたい。それはいったい愛知のういろうと違うのか。


改札を出てすぐのお土産屋さんです。

小田原というとかまぼことか干物なんかが有名だと思う。駅前のお土産屋さんにもやはり魚関連の土産物がならんでいた。


しばし目的を忘れて干物を選んでしまった。

この棚の裏の一角にそれはあった。


ういらう。

あった。

「ういらう」と書かれてはいるが、現代読みはもちろん「ういろう」である。

パッケージを見ると「ういろう」が小田原のものであることが主張されている。


「ういろう」はこの会社の登録商標らしい。

全体的に懐かしい感じがする

パッケージは宮崎のような原色ではなく、愛知のそれに似た茶色ベースの渋い色合い。書体や挿絵も枯れた感じで僕の知るういろうのイメージをちゃんと踏襲している。


お菓子の、と書かれているのは薬の「ういろう」もあるからなのだとか。
やじさんきたさん?

古風なパッケージとは裏腹に、中はアルミ封されていた。
食べたいだけ封を開けられる。実に理にかなったパッケージ。

小田原のういろうを切ってみてまず思ったことは、ベトベト感が少ないということ。切ったあとに包丁が抜けなくなるくらいのベトベトでなくては調子がでないわけだが。


小田原ういらう。

小田原のういらう、食べてみると抹茶の風味が口いっぱいに広がりなるほどうまい。甘さは控えめで、歯ごたえはどちらかというと羊羹の方が近いかもしれない。

パッケージの利便性といい、歯ごたえと甘さのバランスといい、いかにも和菓子好きが作ったういろうという風情がある。


でもなんだか違うんだ。

しかし愛知のあの甘くてベトベトしたういろうで育ってきた体には少々物足りなさがあるのも確かだ。

あと小田原のういろうにはパッケージに「古くなったら焼いて食べてもおいしいです」と書かれていた。これもよくわかっている人の意見だ。ういろうはでかいまま頂くことが多いので(愛知でのライトな贈答品はかなりの確率でういろうが選ばれる)、たいてい全部食べきれない。僕は古くなったういろうを焼いたものも好きだった。


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