これは凄いぞ、同志社大学
続いて訪れたのは、京都御所の北に位置する同志社大学だ。あらかじめ言っておくと、この学校の建物は凄いよ。
建物の前に掲げられていた説明版によると、この建物は有終館(ゆうしゅうかん)といい、明治20年に建てられたそうだ。その色の質感といい、たたずまいといい、只者ではない感じはしていたが、やはり相等古いものだった。
この有終館だけでもなかなかのものだと思うが、大学の構内を進んでいくと、そこにはさらに数多くの煉瓦建築があるではないか。しかも、そのクオリティは有終館と同等、いや、それ以上の建物が、ごろごろ転がっていたのだ。
これには、本当に驚かされた。大学構内の建物から、ウエディングドレスが出てきたのだもの。いや、まぁ、確かに結婚式場として使われても不思議じゃない、レトロでロマンチックな建物ではあるけど、けど、けど、……ここ、大学だよ。
同志社大学卒業生の結婚なのだろうか、しかし、構内で結婚式が挙げられる学校とは、こりゃ畏れ入った。
いやはや、凄い。日本に残る煉瓦建築は数多くあれど、そのほとんどがそれぞれ単体で存在するのみである。これ程の密度で煉瓦建築が建ち並んでいる所はそうは無い。
倉庫のように、同じ形状の煉瓦建築が並んでいる例は舞鶴や函館、横浜などに見られるが、この同志社大学のように、一棟一棟の意匠が全く違う煉瓦建築が高密度で残る場所となると、私は他に知らない。うん、これは本当に凄いよ。
単体としてだけではなく、群として評価すべき文化財だ。
同志社大学を歩き回る中、私は常に感嘆のため息を付きっぱなしであった。一年分くらいのため息を、付いてしまったように思う。それだけ、この大学の景観は素晴らしい。
もちろん、構内には戦後に建てられた新しい建物も多いのだが、それらもまた全て赤と白で色彩が統一されており、雰囲気を全く損ねていない。それがまた素晴らしい。素晴らしいしか言ってなくて申し訳ないのだが、いや、本当に素晴らしい。