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ロマンの木曜日
 
鳥から揚げの全流派をマスターする

三種類が交錯する黄色部分。三国志でいえば荊州です。

3.全部混ぜるんだ、「中華流」

弁当流と同勢力を保っているのが、小麦粉・片栗粉・卵の全てを使う「中華流」だ。中華風から揚げ、という名前のレシピに多かった。
中華風でピン!ときたが、これは本格中華料理屋でよく見る、塩コショウをつけて食べる、衣がふわふわタイプのことではないか。
あれは僕の一番好きなタイプのから揚げだ。

期待に胸を躍らせつつ、この日の夜は中華流に挑戦してみた。


下味はごま油と五香粉。これは必ずおいしい。
卵が入って、衣はクリーミィな感じに。

完成。中華流。香りやばい。

ふわふわタイプ。セブンイレブンのお総菜から揚げに代表される。

約束されたようなうまさだ。
これまでの路線とはガラッと変わり、衣はふわふわ食感。ちょっとパンケーキっぽくもある。やっぱり僕はこっちの方が、圧倒的に好きだ。

そして香り。
肉との相性が抜群にいい「五香粉」は、もちろんから揚げでも最高のパフォーマンスを発揮した。高級中華店で食べている気分にさせてくれる。
僕はバイトしてた中華料理屋で、五香粉のことを教えてもらったんだけど、未経験の方はぜひ使ってみて欲しい。
肉の臭みとかそういうのが、すべて旨味に代わる魔術のような粉だ。

3.中華流 評価★★★★★
 ・衣はふんわりほわほわ。
 ・下味が無いレシピもあるが、五香粉がおすすめ。
 ・ふわふわの衣が香りを閉じ込めるので、香りは抜群。


ここ。全体の中で3品のレシピしかない。

4.「南蛮流」、ていうかチキン南蛮

さて、これまで何度も見てきた勢力図の右下に、領土が非常に狭い地域がある。
「小麦粉+卵」の衣による国家だ。
一見、非常な小国でごくマイナーな流派に思えるが、実はこの背後には、一大国家が控えているのだ。

チキン南蛮国である。


南蛮貿易で、大きく利益を上げる小国。

下味は塩コショウのみ。シンプル。

チキン南蛮は、鶏肉に小麦粉をまぶし、卵を付けて揚げるという、変種の揚げ物である。から揚げとも、天ぷらとも違う独特の衣の流派だ。

僕の記憶では、このメニューは90年代後半から、弁当屋のおかずとして全国区へ台頭してきた感があるが、どうだろう。
これを「鳥のから揚げ」と認めるかは微妙だが、僕自身がチキン南蛮を作ったことが無かったので、作ってみた。


卵がそのまま衣になるって、かなりオンリーワン。
泡の出が心配になるほど少ない。しゅぼ、ぼぼ、って感じ。

南蛮流。甘酢をかけていただきます。

すいません、市販のタルタルソースが嫌いなんで、タルタル無しです。

甘酢をかける前は、正直あまり美味しくない。
衣がパサパサしている。
まあ、卵をそのまま揚げるんだから、小麦のようにふんわりとはいかないだろう。当たり前だ。

だが、そのあとに南蛮ソースという名前の甘酢に漬けてみると、衣もしっとりとして、急に美味しくなった。ここへ来て、全体が「さっぱり」という方向性に統一感を帯びる感じだ。悪くない。
モモ肉ではなく、味わいさっぱりの胸肉を使うのにも納得のメニューだ。

4.南蛮流 評価 ★★★
・そのままだと、ただのパサパサしたから揚げ。
・甘酢の出来が勝負の分かれ目。
・さっぱりしたいので、タルタルソースはかけません。


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