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はっけんの水曜日
 
地引網が大好きだ(2008〜2010年ダイジェスト)

2010年9月19日の地引網

去年は10月にやったら台風の影響で収穫がほぼゴミだったので、今年は6月に開催をしてアオリイカ狙いだったのだけれど、大風の予報で結局9月に延期。

三連休の中日なのでみんな参加しやすいかなと思ったのだが、そう思ったのは地引網のイベント主催者だけではなく、富浦湾はいろいろな集まりが目白押しだったらしい。海の上にはジェットスキーがあふれかえっており、砂浜にはたくさんのキャンピングカーが並んでいた。


富浦湾らしからぬ混雑っぷり。こんなのはじめてだ。
ウオンウオン、ブオオオオン。

あてにしていた炊事場も先客でいっぱいだったが、こういうのは早いもの勝ちなので仕方ない。

三連休だと他の予定が入ってしまう人も多いので、来年は普通の土日にやるとして、気を取り直してレッツ地引網。


この地引網の引き方を聞く時間が毎年好き。テレビでそういう番組やってほしい。各地方の地引網の説明番組。
大漁を期待して60リットルのクーラーボックスを持ってきた。

リピーターが「なんか網、軽くない?」と言っている。
ほぼ満潮だったので、芝生のすぐ先が海!アメリカン!

 

なぜか大ウナギが獲れた

この年は網を引く手ごたえが軽かった。去年よりも人数が少ないのに軽いという矛盾。いや、もちろん網にゴミやクラゲが入っていないからという前向きな理由も考えられるが、やっぱり魚があまり入っていないと考えるのが自然だろうか。

それでも初めて網を引くメンバーにとっては十分重いらしく、「手ごたえがすごいね!」という話が聞こえてきて、胃がちょっとキリキリ舞い。

結局、網に入ったのは小型のアジがほとんどだった。唐揚げや南蛮漬けに最適なサイズだが、アウトドアだとどうしたらいいかちょっと悩んでしまう。カワハギやマゴチはゼロ。やっぱり水上バイクと地引網の相性は悪いのだろうか。

しかし、そんなローテンションの状況をひっくり返してくれたのが、一匹の巨大ウナギだった。たぶんこれから沖へと産卵に向かうところだったのだろう。去年に引き続き「地引網とウナギ」という意外なマリアージュに沸くメンバー達。小さく切れば15人くらいは食べられるかな。ありがとう、ウナギ。


何回やっても、この網を上げる瞬間は興奮する。
スズキやクロダイなどの大物はいなかったけれど、アジは大漁だ。

よく見ればアジ以外にもいろいろな魚がいて、子供たちは喜んでくれていたようだ。
ウナギがでかーい。個人的にはこの一匹でかなり満足。でもやっぱりカワハギは食べたかったかな。

今年は不漁だったけど、毎回獲れるものが違うからこそ、毎年やる価値があるんだよねと、三回くらい場所を変えて呟いてみた。

 

魚の差し入れがやってきた

去年に引き続いて、地引網自体はおもしろいのだが食料としてはちょっと物足りない収穫だったので、またスーパーでサンマでも買ってこようとしたその時、富浦在住で私のサイトの読者だという方が、わざわざカワハギとカンパチという最強のKKコンビを差し入れてくれた。サイトをやっていてよかったと本気で思った。

さらに地引網参加者からは、昨日走水で釣ってきたという巨大なアジも提供された。すごいすごいすごい。

これでどうにか全員が「ここまで来た甲斐のある魚」にありつけそうだったのだが、砂浜が混んでいたために地引網参加者の調理場所がバラバラになってしまい、どこにだれがいるのかわからず、参加者全員にせっかくの食材や料理がいきわたらなかったのが申し訳なかった。来年は拡声器買おうかな。


いただいた差し入れ。発泡スチロールの蓋を開けた瞬間、今日一番の歓声があがった。
今年もカワハギの肝和えをみんなに食べてもらうことができてうれしい。

収穫がなくてもそれはそれで楽しいものだけど、やっぱり料理すべき魚があったほうが盛り上がる。
海辺で食べるフランクフルトもおいしいよ。

今年のお寿司屋さんは手巻き寿司。カワハギの肝和え巻きが最高だった。
わざわざ茨城から来てくれたライター加藤さんが七輪でニコニコしながら獲れたアジを焼いていた。会う機会が少ないので、彼と初めてたくさん話せてよかった。

今年もウナギが獲れるのではとひっそり期待していたので、ウナギ割きと目打ちを持ってきていたのだ。
ウナギをこんがりと炭火で焼いて醤油を垂らす。身の弾力が素晴らしい。泥臭さ皆無。

あ、白鶴まるを持ってくるの忘れた!

そんな感じで一挙三年分の地引網レポートはおしまい。

地引網の楽しいところは、同好の士がなんとなく集まる場であること、網を引く行為そのものが運動会みたいでたのしいこと、参加者や漁師さんとの会話、みんなで魚を獲るというプリミティブな喜び、網が上がる時のハイテンションぶり、毎回まるっきり違う収獲、獲った魚をその場で食べるという非日常的行為、そして一仕事終わった後にだらけきった空気の中で海を見ながら飲むビール。

今年もたぶんまたやるのだと思う。

楽しいから。

砂浜に行くと麦わら帽子を飛ばしたくなる。

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